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慌てて画面を操作素養と腕を伸ばすがそれは先輩によって阻まれる。なぜが突き刺さるゾム先輩の視線。
「えっと…何をそんなに怒っているのでしょうか…？」
「いや？俺はただこれがほんと何か知りたいだけやけど？」
睨み合う事少し。私は諦めて再びフェンスに寄りかかった。うーん、と悩むように顎に手をあてる。
「私の好きな人、ですか」
「おん」
「…えぇー」
「なんや言えへんのか？」
「ちょ、先輩怖いですって」
おどけるように言いつつ頭の中では思い当たることはないかと必死で検索をかけていた。噂になるような人などいないはずだ。好きだと勘違いされるような仕草も…うんしたことない。
一体誰なんだ。私が好きな人は。
一体誰なんだ。噂を流した人は。
もんもんと考えていたから気づかなかった。すぐそこに近づいている先輩の事に。
「言えへんの？」
がしゃん、と背後のフェンスが音を立てた。私の頭の隣には先輩の細いながらに筋肉の付いた腕。と息がかかるほど近くにある顔。なぜか、足の間に差し込まれた先輩の長い脚。
…あれ、これ俗にいう壁ドンってやつ？と現実逃避をした私を許してほしい。
「…なぁ」
と息を孕んだ色っぽい声が私を問い詰める。平然を装うと笑みを浮かべることを試みるも出来ずに終わった。どうやら思った以上に混乱しているらしい。
「…そ、ういわれても、」
「…言われても？」
「いえま、せん」
さらに接近してくる先輩に顔があつくなる。勘弁してくれ。
「ま、ええわ。」
「は、」
答えを言わなくてもあっさりと話してくれた先輩に思わず声が漏れる。バット手で押さえ何も言ってませんよアピール。
「…またな」
「はい、また…？」
怒涛の流れにまだ頭が追い付いていない先輩は私を置いてドアから校舎の中に入ってしまった。
「え、今の何…？」
暑い顔を手で仰ぎながら言ってみても、答えてくれる人は一人もいなかった。
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zm視点は少しお待ちください…！
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作者名：むぎ | 作成日時：2017年8月13日 22時
