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はえ、と間抜けな声が漏れた。先輩はそれに笑いつつ言葉を重ねる。
｢お前だって仲間だ。しかも俺の教えをしっかりと吸収し自らの武器にした。そんな奴は見たことがない｣
それはあなたに憧れていたから、少しでも近づきたかったからです。なんて言えるはずもなくただ嬉しさで頬を染めた。
｢……｣
｢A、お前は優秀だ。きっとこの学校を素晴らしい方へと導いていけるだろう｣
｢…入学したばかりのヒヨッコに過大評価しすぎでは…？｣
身に余る賛辞であると私が耐えられずに言えば先輩はティーカップを置き前のめりな姿勢を取った。
｢そりゃ好きな女が一生懸命自分の後を追っていれば評価もしたくなるだろう｣
……ん？？
今彼は何と言った？
何度かその言葉を繰り返しようやく飲み込んだ頃には私の顔は赤く染まっていた。
｢えっと……｣
｢お前が好きだ、A｣
｢ストレート過ぎません？？！｣
先輩から離れるように壁に背中をくっつける。
｢ストレートに言わなきゃ鈍感なお前に伝わらないだろう。｣
｢いや、あの、心の準備というものがありまして…｣
｢お前の事情など知ったことではない｣
あぁなんでここで出るのさ独裁感。
ついつい素直に自分の気持ちを伝えてしまいそうになるのをぐっと堪えて先輩を睨むように見つめる。グル先輩は愉快そうに笑いながら優雅にカップを傾けた。
｢……私は、今先輩の言葉に返事を返せません。それは私が未熟だから｣
口を挟もうとした先輩を抑えるように言葉を繋げる。先輩は少し眉を寄せながらも私の話を聞いてくれるつもりらしい。
いつかの時のように震える手を握りしめ自分を鼓舞する。
｢…わたしは、｣
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作者名：むぎ | 作成日時：2017年8月13日 22時
