35話 ページ35
「…リク？」
rk「あ、A…」
軽く手を挙げてそういう彼。
rk「久しぶり。元気だった？」
「うん…」
rk「急に来てごめん」
「大丈夫だよ」
rk「Aの母さんに、Aが城に居るって言うのを最近聞いてさ」
「そうだったんだ」
rk「その…」
リクは私の隣に立っているオスマン様に目をやり、言いにくそうに口篭る。
多分別の場所へ行ってほしいのだろう。
「オスマン様。私は大丈夫なので今は2人きりで話をさせてください」
os「ほんとに？無理してない？」
「はい、何かあったら叫びます！」
そう言うと少し安心したように息をついて部屋を出ていった。
rk「今日ここに来たのは、Aに言いたいことがあって…本当はあの日に言うつもりだったんだけど」
リクの言う「あの日」とは、私が彼に告白した日だろう。あの時はショックで話を聞かず立ち去ってしまったから、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
rk「実は俺、エルノ様の側近なんだ」
「へ…お、幼い頃から一緒だったじゃん。側近って…いつ？」
rk「俺が生まれたその時から、エルノ様に仕えることは決まってた。そういう家系だから」
「じゃあなんで我々国に…？」
rk「詳しいことは言えないんだけど、今俺がまだこの国にいるのも幼い頃から一緒だったのも、全部エルノ様からの命令だよ」
エルノ様…？
エルノ様は昔、私と会ったことがある？
いやいや、でも隣国の王子で、そもそも国境近くまで行った覚えなんてないよ
rk「…つまり、俺があの日1番言いたかったのは___」
辛そうに眉を下げて言った。
rk「___上の命1つで簡単に裏切れるような俺じゃなく、もっとAを愛してくれる人と幸せになってくれってこと」
___数秒間の間、沈黙が流れる。
雲で隠れていた陽の光が窓から差し込み、雨の降る音は次第に小さくなっていく。
「そろそろ元の国に帰らなきゃ」
小さく聞こえた言葉
今日ここに来たのは、もう会えないかもしれないから…？
そう思うと、心に穴が空いたような寂しい気持ちが込み上げる。
彼は扉の方へと向かう。
「…あの日、急に走って行っちゃってごめん」
rk「うん」
「リクのこと、教えてくれてありがとう」
rk「うん」
「__大好きだったよ！」
rk「っうん」
「絶対、幸せになるから！__また、いつか！」
大きく手を振り、別れの挨拶を済ます。
それに答えるように笑顔で手を振って、部屋を出ていった。
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にじ(プロフ) - 梳梦_27さん» コメントありがとうございます！すごく共感できます！！体調万全の状態を維持して、これからも更新頑張っていきますね！ (2021年11月13日 2時) (
レス) id: f6d46e381b (このIDを非表示/違反報告)
梳梦_27 - めっちゃおもろい！！本当に面白いです！zmrbよりの箱推しなんですがやはりzmrb最高ですね( - p -)b皆可愛い。更新頑張って下さい！本当に体調を崩さないように無理しないで下さいね！？更新何時でも待ってます！ (2021年11月12日 22時) (レス) @page38 id: 0f55dfac5a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 燐さん» 報告ありがとうございます、修正完了しました！これからも頑張っていきますね！(名前変更したので再度返信しました (2021年10月23日 16時) (レス) id: f6d46e381b (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - とてもおもしろいです!でも責められるではなく攻められるだと思います。お気を悪くされたらすみません。応援してます！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: 269ee1192d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霓 | 作成日時：2021年8月29日 20時
