【d！】ほな、さいなら

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殴られる、そう思いながら素早く回る口で謝った。
自分のミスで謝るの、何年ぶりやろうか

「ちょ、まだ傷ふさがってないのに」
なんて優しい声も聞こえるが


命の恩人になんてことを、と考えていると



sni 「それほど僕が可愛く見えたって事ですよね？うっふん、嬉しい…♡」
とお色気ポーズをしだしたしにがみさん。
男性だと知ったあとの衝撃的と組み合わさって
思わず吹き出してしまった。

『っ、ふは、ふはは…笑す、すみませ…笑』

素直に笑ったの、いつぶりだろう。
笑っていた気持ちから、すぐに気持ちは沈んだ。
こんな時でもアイツらを思い出してしまった。
なんで、

なんで嫌いになれへんねん…

あんな事、されてんのに。バカなくせに…



『っあ、すみ、ませ…』

そこで空気が重くなっていることに気がついた。
せっかく明るくしてくださったのに。

どうしよかなぁ





kr 「さっきからずっと触ってるけど髪、気になるの？」

ふと、クロノアさんから声がかかった。
無意識で髪、触っちゃうんよな。
私が触るほどの髪、残って無いのに。



『あは、色々あって、切れちゃったんですよ』

kr 「…そ、っか。」

「…ねぇ、俺でよければ整えてもいいかな？」

整えるのなんて、何年ぶりだろうか。
嬉し、かった。

『…すみません。お願いします』












次に鏡を見せられた時。驚いた。
昔の自分のようだった。

でも、その笑顔の裏に何が隠れているだろうかと勘ぐった

『あ、あの、すみません、今、ほんまなんも持っとらんくて…』
『コレしか、持ってないんです…』

対価を支払おうと幹部の印であるペンダントを差し出すと
一目散にぺいんとさんが反応した。

pi 「！それ、w国の…」

sni「あ！新聞で見た事ある…確か、幹部…の、って、え」

pi/sni 「え、幹部さん！？！？」




そりゃそうなりますよね…
『んーん。違いますよ。貰い物です。』
ウソ。

でも、あの自分を捨てて生きていきたいと考えていた私には、もうこんなの、関係なかった。

記憶も全て捨てられたら楽なんやけどな

kr 「ぺいんと、しにがみくん。だから迫っちゃダメでしょって…」
「後、対価はいらないよ。俺がしたくてやった事だから。


それに、とっても大事なものみたいだよ。」



そう言われ、ふと手が強ばっていることに気付く。
あぁ、そうか。未練捨てきれて無いんだ。

なんとも言えず、下唇を噛んだ。













pi 「……失礼かもですが、行くアテ、あります？」

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