彼等は 28 ページ3
ショッピ君に腕を引かれて連れてこられたのは、この建物の屋上だった
夏祭りが重なった年は、よくここで花火を見てたっけ…
懐かしく感じる思い出
自分がここに立っていることさえも場違いな、そんな気がしてしまった
ショ「…今年は花火、見れませんでしたね」
貴「…夏祭りの日と被らなかったから仕方ないよ」
ショ「ほんとは俺、先輩と花火見るの楽しみにしてたんすよ？」
貴「…」
ごめんね
口に出そうと思っても喉でつっかえて出てこない
…自分で決めたことなのに
自分で、距離を置こうって
自分のためにやって、自分で傷ついて
こんな私を知られたらきっと、皆は離れていくかな
こんな自分勝手な奴…
ショ「…先輩、もう少しこっち来てください。流石に夏でも今日は風邪ひきますよ」
貴「え、別に大丈夫だよ」
ショ「良いから」
ちょいちょいと小さく手招きするショッピ君に恐る恐る近づく
その隣に同じように座り込んだ瞬間、ふわりとショッピ君の香りに包まれた
震える腕で、抱き締められていた
なんで…震えてるんだろう…なんで、こんなに弱々しく抱き締めるんだろう…
ショ「…今だけ…」
貴「どう、したの…？」
ショ「…今だけは、何処にも行かないで下さい」
貴「ｯ…」
…そんな泣きそうな顔しないでよ
折角、慣れてきたのに…折角…離れられたと思ったのに…
気付いたときには私も同じように抱き締め返していた
貴「…今は、何処にも行かない。ショッピ君と一緒に居る」
ショ「…我が儘で、すみません」
貴「こんなの我が儘じゃないよ」
忘れていた
昔から彼は誰かに甘えることが出来ない事を
私しか、甘える場所が無かったことを
貴「…弟君は元気にしてる？」
ショ「…相変わらずっすよ。超うざい」
顔もしかめて言うもんだからつい笑ってしまう
それに彼も少しふっと笑った
ショッピ君は兄だからこそいつも色んな事を我慢して、いつも強がってた
だからコネちゃん達にあんな対応してるのかな
本人に聞いたことないから分かんないや
貴『ん〜じゃあ、Aがショッピ君のお姉さんになる〜』
ショ『…Aが、お姉さん…？』
貴『うん、いっぱい、甘えて良いよ』
貴「…ごめんね」
今になってやっと口に出せた言葉に、返答はない
代わりに腕の中には、気持ち良さそうに寝ているショッピ君の姿があった
…人生に正解って、あるんだろうか
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yu-kari - 頑張ってください(*^-^) (2018年10月17日 19時) (
レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
trap(プロフ) - yu-kariさん» コメントありがとうございます！亀より遅いですが、更新頑張ります！！ (2018年10月17日 17時) (レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - とても面白いです！続き待っときます！あと、続編おめでとうございます！ (2018年10月17日 16時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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