彼等は 19 ページ21
貴「…じゃあ、作らない。でも、良くおっとりしてるって言われるから、嫌だったら、言って」
フ「…そんな感じだったんだね。いつものは正反対」
貴「…この雰囲気には、誰も近寄ってこないから」
フ「俺は嫌いじゃないけど？」
意外だった。こんな地味な私を、嫌いじゃないと、否定しない人は初めてだった
幼馴染の彼等は気にしてなかったけど、それは慣れだろう
でもほぼ話したこともないこの人に言われたのは、意外だった
驚きで言葉が喉でつっかえるけど、なんとか引っ張り出す
貴「じゃあ、聞いても良いかな？話」
フ「…大したことじゃないよ。ただ、嫌になっただけ。
俺さ、訳あってE組に落とされたんだけど、A組だった頃は友達が多かったんだ。でも、俺がE組になった瞬間、皆離れてった。虐めって言うのかは分かんないけど、良く物を壊されたり、隠されたり、されるようになって。
それが、嫌になった。
いっそ犯罪でもして警察に捕まって、キヨみたいに、不良になりたかった…そんな事されるんなら、誰にも近寄られないように、なりたかった」
膝の上に置いている手に力を込めて、唇を噛んでいた
涙がズボンを濡らすことは無かったけど、代わりに彼が掛けている眼鏡に水溜まりが出来ていた
貴「…多分、君に、藤原君に、それは出来ない。なんでか、聞く…？」
フ「…」
無言を肯定と受けとる
貴「優しいから。A、知ってる。君はちゃんと、真っ当に、生きようとしてた。勉強、すっごい頑張ってた。でも、気付いたんだよね。
―――一度E組に落ちた人は、もう上がれない、って」
フ「…うん。まぁ、そりゃそうだよねー。一度は自分の下に居た奴に、抜かされたくなんか、ないよね。あの高校は、特に」
プライドが高い人が多い、あの高校なら特に
貴「…続きね。上がれないと悟った君は、それでも密かに頑張ってた。上からなに言われようと、されようと。だからだよ。溜め込みすぎたんだ。人は溜め込みすぎたら、いつか爆発する」
いくら頑丈な体だって、爆発して、今までの努力の代償が、一気に押し寄せる
たがら時々、吐き出さないと行けない
貴「…君には、友達が居るでしょ？」
素敵な仲間が、三人も
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trap(プロフ) - 麗音さん» わざわざコメントありがとうございます！そう言ってもらえると凄く嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年9月15日 21時) (
レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - え…好きです…好きです(語彙力)面白いです、更新応援しております！ (2018年9月15日 21時) (レス) id: 27af552c6a (このIDを非表示/違反報告)
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