★有る人 ページ28
「今のは……」
最後だと思っていた物語を見た後、もう一人の物語を見た。
そこにはグルッペンと呼ばれた人と、俺が城下町で会っていた人がいた。
ここで幾つか謎が生まれる。
ある程度は解った、と思いたいけど。
『あ、おはようございます。』
「…やっぱり、貴女が待っていると思ってました。」
予想通り。
この人は俺とは違う世界にいる。
見ている世界も違うし、根本的に違う。
まず今俺がいる場所が俺の知らない世界だし、
この人は…“存在していない”。
だとしたら、俺が会っていたこの人は、一体誰だったんだ?
『やっぱり、ですか。貴方は勘が鋭いですね。
…だからこそ私は、貴方に賭けた。』
「賭けた…?」
本当に意味がわからない、けど。
反射で聞き返してしまった、けど。
何故か、受け入れられそう。
「俺に何をしろと言うんですか?」
彼女がただ者ではないのは知っていた。
俺が戸惑ってるのを悟られたくない。
…ただの強がりなのは分かってるけどな。
『ありがとう。…お願いがあるんです。』
そう言って彼女が発した言葉は俺には聞き取れなかった。…でも何故だろう、言いたいことは伝わってきたような気がする。
…素人に世界を救え、ってか。
無理に決まってるだろ、側近と両立させるとか。
でも、純粋なこの瞳を見ると、断れない。
…クソ、どうして、今更。
この人が何者かは、これから先、この人からの“お願い”を達成するにつれ分かるはずだ。
知りたいなら、行くしかないよな?
振り返ると、既に新しい扉が出来ていた。
ただの木の扉。今までとは違う、新しい世界への。
「…行ってきます。」
ゆっくりと扉を押し、新たな世界へ。
·―·―·―·―·
一応、これで長期連載()は完結です。
ある程度の解説はまた今度書きます。
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黒猫 - リクエスト緩募 (2019年3月29日 18時) (レス) id: 4ccfeb950d (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - バキュラさん» リクありがとうございました!はい、いつでもお待ちしています! (2018年4月19日 20時) (レス) id: ed1fc4b4b8 (このIDを非表示/違反報告)
バキュラ(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!! こんなので大丈夫というか、こういうのが読みたかったんです…!! すごく好きです(笑) 機械があれば、またリクエストさせてください! (2018年4月14日 22時) (レス) id: 06aecc80c5 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - バキュラさん» リクエストありがとうございます。こんなので大丈夫なんでしょうか…?(困惑) (2018年4月14日 21時) (レス) id: ed1fc4b4b8 (このIDを非表示/違反報告)
バキュラ(プロフ) - グルちゃん読みたいです(唐突) (2018年4月14日 11時) (レス) id: 06aecc80c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年2月5日 20時