【wrwrd】或る臆病者の後悔【ut】

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『おかえりなさい』


かなり遅くなったにも関わらず、何も言わずに笑顔で出迎えてくれる彼女


罪悪感で押し潰されそうになりながらも、笑みを返す


ut「ただいま、Aちゃん。…ほんまごめんな」


『ううん、大丈夫。秀也が忙しいことぐらい分かってるから』


そう言いながら、Aは俺の上着を受け取ってハンガーにかける


…なんていい彼女なんだ


ご飯出来てるよ、と俺をダイニングへと誘う


ダイニングテーブルにつき、席に座ると美味しそうな手料理がテーブルに並べられ始めた


ut「おっ、今日も美味そうやな」


今日のメニューは鯖の味噌煮にほうれん草のおひたし、白米と赤味噌のお味噌汁。


最近和食が多いな、と思い聞くと和食料理にハマっているらしい。


鯖の味噌煮の味付けも自分でしたそうだ。


鯖を1切れ切り、口に含む


ut「うまっ…！？また腕あげたなぁ、Aちゃん」


脂がたっぷりと乗った身にA特製の味噌の風味が効いた味付けがとても合う


『ふふ、ありがとう』


嬉しそうにふわっと笑うA


その笑顔だけでご飯50杯はいけますわ…


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ut「ふぅ、ご馳走様」


美味しすぎて、この時間にも関わらず何回もおかわりしてしまった


また太ってまう、気をつけな…


『お粗末さまでした。…あ、そういや秀也、この上着くたびれてきたからクリーニング出しとくね』


そう言ってAはさっき俺が脱いだスーツを手に取る


確かに遠目からでもうっすら分かるぐらいシワが出来ていた。…恥ずかしい


ut「おん、頼むわ」


そう言って風呂場へと向かう


途中、スーツのシワを伸ばしていたAの顔が一瞬強ばった気がした


ut「(…？気のせいか)」


若干気になったものの、特にAが何か言ってくる訳でもないので気にせずに風呂場へと向かった









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『………浮気なの？秀也、』


大先生が風呂場へと入っていった後、Aはそうポツリと呟いた




その手には、大先生のスーツに着いていた長い髪の毛があった

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