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「来てくれたんだ」
ベッドの上でそう言ったのは、真っ白で触れたら壊れてしまいそうなほど弱々しい少女
ut「また来るって言うてもうたからなぁ」
近くのケーキ屋で買ってきたタルトを机の上に置いて、ベッドのそばの椅子に座る
「あれ、言ったっけ…？まぁいいや、ありがとう」
ケーキ屋の箱を開けると、「わぁいちごのタルトだ！」と喜んでフォークを手にする
「大先生は、食べないの？」
ut「この時間に食うと、夕飯食べれんくなってまうやろ」
「ふーん、そっかぁ」
真っ赤に熟れた瑞々しいいちごをフォークに突き刺して美味しそうに頬張る少女をぼーっと見つめる
やはり、頭の中に思い浮かんでくるのはあの時のショッピ君の瞳
彼氏は俺なのに、訳が分からないほど焦燥感に駆られてしまう
「…？何を考えてるの？？」
そんな俺をみて、少女が不信そうに話しかけてきた
ut「ん？…あぁ、なんでもないで」
「そう…？」
ut「体調は、大丈夫なんか？」
無理矢理話題を変える
一見元気そうに見える少女だが、その腕からは細い点滴の管が繋がれており顔色も少しばかり青い
「大丈夫だよ、元気」
強がってそう答える少女が、何故か今の俺と重なって見えた。
ut「……ごめん、もう帰るわ」
ｶﾞﾀﾘ､と音を立てて椅子から立ち上がる
これ以上強がる少女を見ていたくなかった。
まるで、今の自分を見ているようで
病室から出ようと少女に背を向けて足を一歩踏み出すと、「待って！！」と呼び止められてしまった
ut「…なんや？」
足をとめ、ゆっくりと少女へ振り返る
ut「…………！？」
振り返った瞬間、少女に腕をひかれてバランスを崩してしまった
長い髪の毛が俺の頬をくすぐり、少女の甘い香りがいつもより強く香る
"抱き締められてるんか…？俺"
そう理解するのにかなりの時間を要してしまった
ut「な、何考えとんねん！！」
慌てて少女の腕から抜け出そうとするが、強く抵抗したら傷つけてしまうのではないかと思い中々抜け出せない
「……何に怯えてるのか分からないけど、そんなに臆病にならなくても大丈夫だよ」
少女から放たれたその言葉。
俺の核心をついた言葉に、思わず動きを止めてしまう
ふと視線を上げると、少女が優しく微笑んでいた
ut「…………俺は、臆病者や」
軽く身をよじると、少女は腕を解いた
そのまま足早に病室を出て、帰路へついた
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リンゴ(プロフ) - on……Twitterできないンゴ…（泣） (2020年1月21日 19時) (
レス) id: aa68c2f553 (このIDを非表示/違反報告)
伊玖 - やばい泣きそう。この作品好きです。サイト変わっても、頑張って下さい (2020年1月13日 21時) (レス) id: c7c0ec82fd (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 矢吹由佳さん» ボードの方にお邪魔してよろしければ、そちらに書き込ませていただきますがよろしいでしょうか？？ (2019年12月27日 17時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
矢吹由佳(プロフ) - え…Twitterできない民はどうしたらいいでしょう…？ (2019年12月27日 17時) (レス) id: fb9a708175 (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - Venusさん» そう言っていただき本当に嬉しいです、ありがとうございます！よろしければ、Venusさんのボードの方にお邪魔してそちらに書き込ませていただきたいと思うのですがいかがでしょう？ (2019年12月27日 15時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年9月16日 23時
