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気づいたら、俺は荷物を放り投げて走り出していた。
夜の闇へと吸い込まれる彼女の体
その体が自由落下を始める前に、俺は必死に手を伸ばして彼女の足首を掴んだ。
ut「はよっ…、手ぇ伸ばせ！」
驚愕に満ちた表情をする彼女は、こちらを見つめるばかりで手を伸ばそうとはしない
ずるり、と手汗によって手が滑り始める
このままだと落ちてしまう___
ut「何してんねんっ…！いいからはよ、手伸ばせって！」
「離して…！！もう楽にさせてよ！！」
初めて聞く彼女の声は、悲痛に満ちていた
ut「やかましいわ！死んで楽になることなんかあらへんっ…！！」
再び手が滑り、段々と彼女を掴む面積が小さくなっていく
ut「頼むっ、手ぇ伸ばして！」
ついに彼女の足が手から抜け落ちそうになった瞬間、伸ばされた俺の手に彼女の手が重ねられた
____________________________________
ut「はぁっ、………」
久しぶりの重労働により大きく乱れた息を整える
ギリギリのところで助け出した少女は、特に息を乱すわけでもなくただじっとこちらを見つめていた
…そういえば、触れたってことは幽霊ちゃうんやなぁ。
そんな呑気なことを思いながら、口を開く
ut「…家は？もうこんな時間やし、近くまで送るで」
その言葉に少女は首を横に振る
……まぁ、せやろなぁ
この時間帯に一人でいる辺り、家族はいないもしくは家庭崩壊を起こしているのどちらかだろうと想像がつく
ならばどうすればええんやろか、と頭を悩ませていると今度は少女が口を開いた
「病院に、いるの」
ut「病院…？」
コクリ、と頷く少女
あぁなるほど、その死装束みたいに真っ白な服は病院服やったんか
やっぱ幽霊ちゃうやん、この歳になって恥ずかしいわ
なんて、勝手に自己完結していると少女の目がぱちくりと丸くなっていた
「貴方、私のこと幽霊だと思ってたの…？」
ut「えっ…は、声に出てた…？」
「思いっきり出てた」
途端に顔が熱を帯びるのを感じた
ut「…〜っ、恥ずかしいわぁ…」
赤くなった顔を見られたくなくて、腕で顔を覆う
「…ふふっ」
ふと笑い声が聞こえ、腕の隙間から視線だけ少女へ戻すと
ut「…なんや、笑えるやんけ」
少女が楽しそうにクスクス笑っていた
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リンゴ(プロフ) - on……Twitterできないンゴ…（泣） (2020年1月21日 19時) (
レス) id: aa68c2f553 (このIDを非表示/違反報告)
伊玖 - やばい泣きそう。この作品好きです。サイト変わっても、頑張って下さい (2020年1月13日 21時) (レス) id: c7c0ec82fd (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 矢吹由佳さん» ボードの方にお邪魔してよろしければ、そちらに書き込ませていただきますがよろしいでしょうか？？ (2019年12月27日 17時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
矢吹由佳(プロフ) - え…Twitterできない民はどうしたらいいでしょう…？ (2019年12月27日 17時) (レス) id: fb9a708175 (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - Venusさん» そう言っていただき本当に嬉しいです、ありがとうございます！よろしければ、Venusさんのボードの方にお邪魔してそちらに書き込ませていただきたいと思うのですがいかがでしょう？ (2019年12月27日 15時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年9月16日 23時
