儚い夢でも【緑くん】 (ページ13)

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借り物ページ13

俺は一人抜かし、二位の状態をキープしたままらっだぁにバトンを繋いだ

認めたくはないが、らっだぁはゲーム魔神の癖に運動神経がバカ良い。

はじめての競技だって、一度お手本を見れば直ぐに身に付ける。

そんならっだぁに、憧れた。

…やめよ、こんな話。テンション下がる

いや、元々上がってた訳でもないけど←

らっだぁは凄い勢いで一位を取り、二位の奴と間を広げながら雄介に繋いだ

雄介はらっだぁが開けた間を更に広げ、次に繋げる

そのまま俺らは一位でゴールした

らっだぁはボロボロ泣いてる。まだ二種目だぞ？(焦)

アナウンスを聞いたのかきょーさんは俺の頭を撫でくり回した

うちのクラスときょーさんのクラスの所謂腐女子が騒いでいた

ほんとにやめてほしい( )

【次は、借り物競争です！担当の生徒は、位置に、着いてください！】

あ…

『楽しみだねー、何当たるかなぁ？』

先輩だ、

はちまきをして、腕を捲り、短パンを履いている

スラッとした足

色の白い肌

光を受けなびく髪

全てが愛しく、美しかった

ピストルが鳴り、三年が地面にある紙を捲った

『……え………』

先輩が此方を見て、目を逸らした

お題が何なのか気になるがそれどころじゃない

周りが生徒の渦へ消えていくのに、先輩は固まっている

「っ……先輩！！！」

『わ…っ、たる、くん…？』

「お題！！！何ですか！？！？」

ありったけの声を出した

『……渉くん！！そこに居て！！！！』

先輩は俺の元へ走り、俺の手を引いてゴールした

【一位のお題は…

可愛い後輩！！！】

え…

俺が、可愛い後輩？

『ごめんね、他に後輩なんて居なかったから…』

「い、いえ…」

生徒席に戻ってらっだぁに茶化されたのは言うまでもない