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ぷつり､と意識が浮上した｡
「…ぅ､」
のそり､と体を起き上がらせる｡
変な匂いが鼻に残っていて､頭がぼんやりしている｡
暗い､暗い､くらい｡
「ッ…あ､おや…？」
手を動かすと､何かに当たった｡
それは､温かい｡
「あおや､蒼哉…！」
「…ん､ぐ…あ､かざ…」
肩を揺らすと､蒼哉の目が開いた｡
蒼哉も意識がハッキリしていない様で､焦点が合っていないように見えた｡
「あ"ー…きっもち悪い｡んだ此処…」
「わ､分かんない､でも､起きたらここで…」
「あれぇ？薬もう切れたのお？耐性でもあるう？」
この場に似合わない､間延びした声｡
それは､聞いてきた声で｡
信用出来ていた声で｡
「さ､な…？」
「そぉー､沙那くんだよぉ｡お友達の､ね？」
ニンマリと､沙那の口角が釣り上がる｡
それを見て､得体の知らないものが､背筋を這い上がってきた｡
「お前､何してんだ…！」
「任務だよお｡蒼哉は分かってんじゃない？」
ニヤニヤとしながら応えようとしない沙那｡
そこにはいつもの沙那はいなくて｡
知らない､ヒトが､そこにはいて？
くらい､せまい､つめたいばしょにいて？
「ひ､ぅ"…あ…」
「藜…！」
蒼哉に抱きしめられる｡
何かを言っている､何も聞こえない｡
何かが動いている､何かは分からない｡
何を言ってるの？
何をしているの？
何を､しようとしているの？
「ーさぁて､準備も出来るだろうし､行こうか」
沙那がゆっくり立ち上がり､紫紺の瞳でこちらを見る｡
苦しい
痛い
怖い
嫌だ
止めて
言わないで
「狂気の国､グロウサリンへ」
「は､…？」
「君ら､幹部から聞いてたんじゃないの？君らを狙う国がいるって」
そこで気付く｡
ああ､なんと愚かで馬鹿なのだろう｡
こんな惨めな事があるだろうか｡
「…ご愁傷様､」
「…なに？いきなり」
蒼哉に支えてもらいながら､俺はなるべくまっすぐ沙那を見つめる｡
思った通り､沙那は顔を歪めていた｡
そう､それでいいんだ｡
「あの人たち､は､自分の"もの"を奪われたり､壊されたりしたら､どんな方法でも奪い返したり､倍にして壊すんだ」
「…」
「だから､ご愁傷様」
お前の国は､滅びるよ
「…元より戦争前提の任務だよ？そんな事分かって」
「いいや､分かってねえよ」
俺の次は蒼哉の番｡
あの日に､俺達はある事を教えて貰っていた｡
「この国の戦力にはどう足掻いてもグロウサリンは勝てない｡何故なら上が腐ってるからだ」
敵に会ったらまず煽れ｡
核心をつくように｡
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東の番長(プロフ) - オリジナルフラグは外してます (2019年3月11日 23時) (
レス) id: 5e10ec5b24 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月11日 22時) (レス) id: 1d0a45b264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年3月11日 22時
