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金曜が終わり､土曜日となった｡
歩く､と聞いていたので動きやすい服でまとめた｡
まあ､いつも通りなんだけど｡
…なんか､最近､先生に会えてない｡
「おーい､藜ー､蒼哉ー」
「おー､沙那｡あ？依織は？」
「先に集合場所行ってるよお」
黒と紫でまとめられた服装で沙那は来た｡
…私服になるとほんとに男か女か分かんねえな此奴｡
髪も若干長いし｡
「有難い｡んじゃ､行くか」
「うん」
沙那を先頭に歩き出す｡
そう言えば､商店街を歩くのは久し振りかもしれない｡
行ったとしても必要なやつだけ買って､さっさと帰ってきてたからなあ｡
あまりしっかりと周った事はない気がする｡
「そーそー､お昼どする？」
「何でも」
「俺も何でもいいわ」
「おっけい｡んじゃ､依織に場所取っといてもらおー」
「マジか､何かすまん」
「いーのいーの」
ーだって､準備しなきゃだしー
…？
今､沙那は口を開いていない｡
なのに声が聞こえた｡
なんだ､今の｡
声が冷たくて､暗かった｡
感情なんて無くて､いつもの､沙那の声じゃなかった｡
「…」
「？…"どうした"」
「…"何か､嫌な予感する"」
「…"分かった"」
沙那には分からないよう､フィナばあちゃんに教えて貰った言葉で､小さく話す｡
フィナばあちゃんは､北の大国､露西亜の生まれだった｡
多分､この国でもあまり知っている人はいない､筈だと思う｡
「…どしたの？」
「…さむい」
「此奴厚着したくねえっつってコートの下ヒートテックのシャツなんだよ」
「馬鹿なの？早く行こ？」
失敬な､マフラーは巻いてる｡
俺のイメージとは正反対らしい､鮮やかな赤のマフラー｡
誰かに貰ったと思うんだけど､誰だったっけ｡
まあ､今はいいや｡
早く､この胸騒ぎが消えて欲しい｡
「…勘づかれてるかもぉ」
『なら早く来い｡もう行ける』
バレないよう､首につけた通信機で"シェル"と話す｡
ほんとは､こんな裏切る事したく無いけど､家族の為､やるしかないんだよねえ｡
ごめんね､藜､蒼哉｡
「ーさ､早く行こお！」
せめて､アッチに着くまでは､友達でいて欲しいなあ､なんて｡
我儘､だよね､ボク｡
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東の番長(プロフ) - オリジナルフラグは外してます (2019年3月11日 23時) (
レス) id: 5e10ec5b24 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月11日 22時) (レス) id: 1d0a45b264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年3月11日 22時
