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「大変や！！」
観光客の拷問をしていたロボロが勢いをつけて扉を開ける｡
大きく音が鳴り､その場にいた全員がそちらを振り向く｡
「どうしたロボロ」
「ッ…観光客が潜入してる！！」
切れた息を程々に整え､ロボロは叫ぶ｡
天と書かれた顔布は外されていて､いつもその下にある顔は青褪めて､怒りが滲んでいた｡
「あの子らの､学校にグロウサリンの観光客が潜んどる！今口割ったのは､計画実行の日が近いからで…！！」
ぶわり､と殺気が膨れ上がる｡
怒ることが滅多にないエーミール､しんぺい神も穏やかではなかった｡
「…その日は何時や､ロボロ」
「週末､2日間掛けて､あの子らを攫うらしい」
まるで地獄の底から響く声のような低さでトントンは問う｡
猩々緋の瞳には､冷めた青が蔓延り始めていた｡
「ー諸君､」
バリトンボイスがその場に響き､周囲の殺気は一瞬にして消える｡
逆に､何も無さすぎて恐ろしく感じる程だ｡
「冷静に､かつ残虐に､相手の首を取ろう｡我々の､"救世主"を､護り抜く為に｡」
屋内の筈なのに､風が吹く｡
金糸が靡き､普段は見えないはずの総統の左目が晒された｡
しかし､そこにあるはずの美しい蒼眼は､燃えるような紅眼に変わっていた｡
周りの面々も､普段の瞳の色から紅へと変わっている｡
こうなったらもう､手はつけられない｡
ーさぁ！戦争を始めよう！ー
ー我等が"救世主"を護る為！！ー
『なあトン氏よ』
穏やかな顔で眠る幼い彼女を抱き締めながら､あの人は言った｡
『彼女は､俺達に道を示してくれた｡謂わば､救世主では無いだろうか』
『…無神論者が何を言ってるんですかねえ』
俺の答えに､あの人は苦笑いを零しながら､それでいて穏やかに言葉を紡ぐ｡
『確かにそうだ｡が､彼女はここに居て､触れる事が出来､対話もできる｡俺が信じていないのは形も何も無い､神だけや』
『…救世主は､神に遣わされた者なんじゃ？』
『まあ､そうやけどな』
クツリ､と笑う｡
ふ､と視線を彼女に移し､慈しむようにその頭を彼は撫でた｡
『彼女は､藜は､何も無い筈なのに､教えてくれた｡恐ろしい筈の我々に対して｡ゾムもコネシマも､藜が来てから変わっただろう？』
『まあ…そうやけど』
『そして俺達に国の何たるかを気付かせてくれた｡有難いだろう？』
俺は無意識に藜の猫っ毛な髪を撫でる｡
身動ぎをしたものの､起きる事は無い｡
『護らんと､いけんな』
『だろう？』
あの時誓った約束を､違えるつもりは無い
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東の番長(プロフ) - オリジナルフラグは外してます (2019年3月11日 23時) (
レス) id: 5e10ec5b24 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月11日 22時) (レス) id: 1d0a45b264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年3月11日 22時
