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「…んﾞ…」
薄らと目を開けると､明るくない｡
暫く天井を見上げ､意識がハッキリするのを待った｡
そして､ゆっくりと体を起こす｡
「…？」
何か､モフモフとしたものが手元にある｡
それになんか温い｡
上下に動いて､…ん？
「…」
ゆっくりとそちらに目を向ける｡
薄暗い中でもわかる､美しい白の毛並み｡
全長は俺より大きく､ピンとたった耳としなやかな尻尾が見える｡
「わふ」
「ﾋﾟ…」
変な声が出た死にたい｡
ぐんと起き上がったのは､美しい白の体躯をしたい…狼だった｡
心做しか､黄金の双眸が光っている｡
「ど､どこから…」
「くぅん」
ワタワタしていると､狼は撫でろと言わんばかりに頭を手に擦りつけてくる｡
俺は人は怖い｡
が､一般的に怖いと称される動物は不思議と怖いと思えない｡
故に､する事は1つだった｡
「…ふわっふわ…」
恐る恐る､頭を撫でてみる｡
するともっとやれ､と耳をパタンと伏せた｡
か…かわ…
「かわいい…！」
「わふっ」
思わず両手で狼の顔を中心に撫でまくる｡
勿論､やさしくだ｡
耳の裏､顎､喉､頭｡
取り敢えず撫でまくった｡
狼も気持ちいいのかごろん､と腹を見せてくれた｡
「…女の子､なんだ」
「わふ！」
チャリ､と金属音が狼の首の方から聞こえた｡
見ると首輪代わりなのか､ドックタグを付けていた｡
狼を撫でてやりながらそれに手を伸ばす｡
「…い､ふ…イフリー､ト？」
「！」
"IFRIT"と彫られた文字を口に出して読むと､狼､イフリートは嬉しそうに耳をピンとたたせ尻尾を振り出す｡
…可愛い｡
「イフリートって言うんだ｡カッコイイね｡」
「わふ！」
褒めるともっと尻尾を振る｡
何となく､笑っているような気がしなくもない｡
ほんとに可愛いなこの子｡
「…まだ朝早いし､どうしよ…」
撫でてやりながら時計を見ると､まだ朝の4時｡
季節が季節なのでまだ薄暗い｡
「…ねぇ､君はここで過ごしてるの？」
「わふ」
ふと､思いついた｡
それは1度浮かび上がれば､むくむくと膨らんでいく｡
「もし､君が良かったら､ここを案内して欲しいんだ｡」
普段の俺であれば､絶対に思い付かないような事で､行動に移す事もしないような事｡
迷惑をかけるかもしれないと分かっているのに､この好奇心は消えそうにない｡
「わふ！」
勿論！と言っているのか､彼女､イフリートは小さく､確かに返事をしてくれた｡
寝間着の上からコートを羽織り扉を開ける｡
さあ､冒険しよう｡
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東の番長(プロフ) - オリジナルフラグは外してます (2019年3月11日 23時) (
レス) id: 5e10ec5b24 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月11日 22時) (レス) id: 1d0a45b264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年3月11日 22時
