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「どうするグルさん｡再来年の入軍希望者見っけたで｡」
揶揄うように言葉を投げかける書記長の視線の先には不機嫌そうな顔の総統閣下｡
でも､怖いとかはなくて､なんか､ちっちゃい子が駄々こねる､みたいな感じ…？
「…だって､今すぐって言ってなかったし､俺たち卒業したいし…それに､」
「…何か､ズルしてるみたいで､嫌だから…」
ブツブツと呟いていると､蒼哉の方から吹き出す音が聞こえた｡
「お前ぇ…そんなん考えてたのか？」
「…蒼哉だって､嫌でしょ｡」
「怒んなって｡そりゃ俺もちゃんと卒業してから､ちゃんとした手順で入りたいわ｡」
ムッとして蒼哉に言うと､いつも通りの表情で返された｡
それに､すごく安心した｡
「…はぁぁぁぁ…吃驚しましたよ…」
先生は顔を両手で多いながら､よろよろと椅子に座り込む｡
てっきりOKするのだと思ったのだろうか｡
そんな事､するわけない｡
だって､学ぶ事が楽しいと思えたのは先生のお陰だし､学校に行けるのも先生のお陰だ｡
「…先生が､応援してくれたから､今､頑張れる｡だから､先生にはいい結果を､見せたい｡」
「そうそう｡前も言ったじゃん？エミさん先生が先生だから頑張れるって｡」
そう言うと､先生はキョトンとした後､ふわりと笑ってくれた｡
それで､多分､安心したんだと思う｡
体に力が入らなくなって､俺は崩れ落ちた｡
「あ､藜？！」
「あ､ぇ…？」
蒼哉に支えられなければしっかりとバランスが取れない程､力が入らなかった｡
驚きと困惑で頭の中を？で埋め尽くしていると､しんさんが呆れたように笑って言った｡
「多分､緊張の糸が切れたんやろなあ｡ちゃんとはっきり喋れてたし､視線もしっかり前見てたし｡運動した後みたいな感覚やろ？」
「ぁ…は､い…」
そう言えば酷い疲労感がある｡
それに､よくあんなスラスラ言えた(方だった)な､俺｡
「これだと多分キツイだろうし､今日の所はこれで終わりにせん？」
しんさんが､薄氷の瞳を総統閣下に向ける｡
彼は､何故か観念したように視線を逸らし､溜息を吐いた｡
「…良いだろう｡おやすみ､藜｡」
…名前を､呼ばれた｡
それが､とても､嬉しいと感じた｡
あれ程､俺は彼が怖かったはずなのに｡
やはり､俺は､彼と､かれら､と…
「…」
瞼が重くなる｡
意識も遠くなっていく｡
でも､恐怖ではなく､安心感が身を包んでいた｡
蒼哉がいるからか､それとも彼らを知っているからか｡
そんな事を考えながら､俺は意識を手放した｡
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東の番長(プロフ) - オリジナルフラグは外してます (2019年3月11日 23時) (
レス) id: 5e10ec5b24 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月11日 22時) (レス) id: 1d0a45b264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年3月11日 22時
