【実況者】日常の主役は我々だ！【男主】

1.苦手な朝 ページ3

朝。
いつもと同じ時間に起床。時刻は５時。
この早い時間の起床にも、だいぶ慣れたもんだ。

『あぁ〜…ねみ〜…』

布団に包まっているとどうしてもやる気が出ない。
とりあえず布団からでないと…。

pipipipipipipipipipi!!!!!!!
何てのんびり考えていると静かだった部屋に鳴り響く着信音。誰だよこんな朝から。

『……はい、Aですが』
「お！おはよー。機嫌悪そうな声やな〜」

この声…職場でよく聞く声だ。間違うはずがない、というより間違いようがない。
『…先輩。こんな朝から何のようですか』

「それがさー、俺部署移動になってん。で、Aと同じ部署になったからよろしく！と思って」
『え、たったそれだけのためにかけてきたんですか…？』

俺が朝人と話すのが嫌いなの知っててかけてきたならこの人は処刑だな…。
「ん〜…一応これだけじゃないんやけど…」

何故か歯切れの悪い先輩。そろそろ切って早いとこ用意しなきゃダメなんだけどな。

「まぁええわ、これはまた直接会って言いたいし。じゃ！今日からよろしく〜」

そう言って切れた電話。
……何だか嵐が通り過ぎた感覚だ。
まぁそんなことはどうでもいい。さっさと用意して行かなきゃな。


さっきの人はうちの会社のゾム先輩。俺が新入社員だった頃の教育係だった人だ。
教え方は上手くて丁寧。俺の(一応)尊敬する人物。

人柄もいいし仕事はテキパキこなすし、上司からの人気や信頼も厚い。その所為でよく飲みに連れて行かれてるみたいだ。女性社員の間では先輩なら彼氏にしたいという人も結構いるらしい。
教育期間が終わった後でも俺のことをよく気にかけてくれるあの人は良心の塊だと思う。









なんて、そう思ってた時期が俺にもありました。

2.先輩→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す