〃 ページ11
「………ろぼ、ろさん。ですか。」
しまった、と思った時にはもう遅かったらしい。
『、っだ、誰？それ。人違いやない？』
「……今宵の抱かれたい男ランキング1位は……？」
『ロボロォォォ!!』
確信を持った。彼の顔が焦りかなにか知らないが汗が滴り落ちていることで。もちろん初めは人違いかな、とか。同じロボロさん推しかなあとか。そんなこと思ってみたけど、違うだろう。何度この声を聞いたと思ってる。数え切れないぐらいだ。
「やっぱり!!うあ、あぁ、;;;;;生で……!!ロボロさんが…!!!!!!!!;;;;;;死んでもいいですもう…;;;」
『この通りやから頼む、誰にも言わんといて!!』
頭を下げてぱん、と手と手を合わせて私のことをちらっ、と見てくるものだからその仕草でさえきゅん、ときてしまう。相手はずっと推してきた彼なんだ。彼にとってこの状況がピンチだとしても私にとっては物凄く幸せな時間、っていうのは可笑しいか。
「もちろん言いません大丈夫です…!!で、でもひとつだけお願い聞いてくれたりしません…か、」
『そ、そんなんでええなら、なんでも!!』
無理やりお願いを聞いてもらう形になってしまったが、少し嬉しいような複雑な気持ちだった。本人に迷惑、とか考えたり。でもこんなチャンス、二度と無いんじゃないか。
「じゃ、じゃあ!!な、名前で呼んでくれませんか。ロボロさんの声で呼ばれてみたかったんで、す。」
A、って言うんですけど。と付け足した。声は震えてても言い切った後に後悔なんてなかった。あとは返答を待つのみだ。
『…。』
数秒待っても、なかなか彼の声が聞こえないもので、ダメ、だったのかと謝ろうと口を開いたときだった。
「…あの、やっぱり
『A、いつも…その、ありがとうな。』
「…、は。??!!!?」
パニックになった。推しの口から私の名前が出てくるなんて思いもしなくて、本当に言ってくれたことがとても嬉しくて。悪戯みたいに笑う彼があまりにも眩しくて火照った体が収まらない。止まらないこの熱をどうすればいい、と1人もんもん考える。
『んふ、これでええかな。じゃあ俺行くな！』
「えっ、あっ、あ！ありがとうございます！」
『…ふ、こちらこそ。今日の動画もちゃんと見てな？』
そう言って微笑みながら走り去る彼は動画なんかじゃ伝わらないくらいの最高な笑顔をしてました。
この気持ちどうしてくれるんですか。
______________________________
身バレ×rbr
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：匿名希望 | 作成日時：2019年8月15日 21時
