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本当に、おかしくなったのは私なんだろうな。
抑えきれない嘔吐感に手が止まりそうになるけれど、まだまだ食べられるやろ?と笑顔でおかゆのお代わりを持ってきた彼に私に拒否権はないのだと知る。
「...も、もう、限界です」
zm「もう?まだこーんなちいさい器に二杯食べただけやで?
まだバナナ牛乳も一口しかのんでないやん」
「すみません...」
無理矢理に口の中にお粥を運ぶ。
嘔ずきそうになるのを必死に堪えてまた一口、と口にすれば急にスプーンを持つ手を掴まれた。
zm「もうええわ、無理せんで」
何も映さないつまらなそうな顔。
自分から無理矢理にやっておいてなんだ。
なんでも器用に人並み以上どころか優秀なまでにこなしてしまう彼には私の気持ちなど一生わからないだろう。
私が必死にこなしたものを出そうとして彼に脅かされて何度ダメになったかわからない。
彼が始めてやり簡単にこなしてしまうものを、彼が終えて遊んでいる間に何度も何度も繰り返して失敗してやっと並みに出来るようになったかわからない。
私と彼は性格も出来もまるで正反対だった。
みんなに好かれる彼はそれだけの理由がある。
...反対に、嫌われる私にもそれだけの理由がある。
これは、妬みでしか無いのだろう。
「すみませんでした」
残ったものを珍しく全て捨てて片付けている彼の背に深く頭を下げて謝罪をし、部屋を出る。
なんだか、とても疲れた。
ぐるぐると胃の中が回るように気持ちの悪い物が渦巻いている。
胃酸の香りと吐き気がこみ上げながらこの時間は他の人なんかいないだろうとふらつく体をもたれ掛けるように壁に手をつきながら歩く。
...早く、トイレかゴミ箱はないかな。
せっかく食事を作ってくれたゾム様には悪いがこみ上げてくるものを抑えきれない。
吐き気でまともに働かない頭と霞む視界の中、ずるずると必死に自室までの道を歩いた。
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カピバラ(プロフ) - これ俺の勘違いなら凄く恥ずかしくなるな...なんかすいませんでした (2019年6月12日 18時) (レス) id: 7f83943664 (このIDを非表示/違反報告)
カピバラ(プロフ) - 名無しさん» (((;゜Д゜))まてまてまて、ちょ、その言い方だと俺の予想した考察よりかなり胸糞な内容になっちまうじゃねえかヤメロ!...そ、そんなのあるわけないよね、ガタガタ、やそれもありえるかも知れねえから否定できんが、あと普通にすごく面白かったです応援してます! (2019年6月12日 18時) (レス) id: 7f83943664 (このIDを非表示/違反報告)
透明玄師(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます!もしよかったら、どんなことでもいいので想像した答えを書いていただけると嬉しいです!他の方から何かあれば私の責任で消すので、お気になさらず是非!! (2019年4月10日 22時) (レス) id: 9aba64d5b7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 言い忘れてました!面白かったです! (2019年4月10日 17時) (レス) id: c69dbdc5f7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 気がついちゃいました。相手が誰なのかが気になります。これで見当違いだったら恥ずかしいですけど...。ネタバレに捉えられてしまうなら、返信して貰えたら消します。 (2019年4月10日 17時) (レス) id: c69dbdc5f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透明玄師 | 作成日時:2019年1月13日 2時