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「焦げ臭い」
眉間にしわを寄せて不機嫌そうにつぶやかれた。
「すみません、先程まで焼却炉にいたので...」
私が淹れたばかりの紅茶に手をかけながら言う彼は生真面目そうな喋り方とほんわりとした雰囲気を兼ね揃えた不思議な方。
すんすんと自分の服を嗅げば、たしかに焦げ臭い。
先程まで二時間も焼却炉の前に座っていれば煙を浴び続けていた私は少し離れた位置にいる彼にも臭うくらいには焦げの香りがしたらしい。
紅茶を淹れて欲しいと呼び止められてオスマン様の私室へ向かえば、ふわりと紅茶のいい香りに包まれながら不満げな目に見つめられた。
os「...ふぅん、まぁまぁ、やね」
「ありがとうございます」
私、今日休暇なんだけどな。
なんで呼び止められてまぁ、紅茶淹れるくらいいいかななんて受けたのに、品定めされて焦げ臭いなんて睨まれてるんだろう。
理不尽さに泣きたくなるけれどこれくらいもう慣れたもので、理不尽をしかたない、と受け入れる。
それにしても、オスマン様の方が紅茶を淹れるのは圧倒的に上手いのだから、ご自分でお淹れになった方がいいのに。
なんてそんなことは口が裂けても言えないけれど、ずっと疑問ではあった。
文句を言われ怒られながらもそこそこに淹れられるようになった紅茶は、兵士達にはたまに淹れてやるとおいしいと絶賛されるが、オスマン様に褒められたことは一度もない。
私に紅茶の淹れ方を教えてくださったのはオスマン様だし、彼が時々淹れてくれる紅茶はたしかに私とは比べものにならないほど丁度いい温度と紅茶の香りを引き立てる淹れ方で。
...まぁ、ご自分でなんて理由を尋ねるなんて野暮でしょう。
ぷしゅっ
突然手を引かれてかけられたのは彼らしい甘くありながら高貴さを感じさせる香水。
os「ほら、もう片方の手首と擦り合わせて、そのあと耳の下あたりの首筋につけて」
「こ、こう、ですか...？」
座るように言われ自分で紅茶を淹れそれを飲んでいれば、突然の出来事に驚きながらも素直に言うことを聞けば、満足そうに彼はまた紅茶に口をつける。
os「そう、まぁ少しは臭いがマシになったわ
いい年した女の子なんやから香りにも気を使わんと、ほんまだめだめやな」
「すみません...」
どうやら、焦げの香りを消してくれたらしい。
クッキーも食べや？なんて勧められてそっと手を伸ばす。
うん、美味しい。
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カピバラ(プロフ) - これ俺の勘違いなら凄く恥ずかしくなるな...なんかすいませんでした (2019年6月12日 18時) (
レス) id: 7f83943664 (このIDを非表示/違反報告)
カピバラ(プロフ) - 名無しさん» (((；゜Д゜))まてまてまて、ちょ、その言い方だと俺の予想した考察よりかなり胸糞な内容になっちまうじゃねえかヤメロ！...そ、そんなのあるわけないよね、ｶﾞﾀｶﾞﾀ、やそれもありえるかも知れねえから否定できんが、あと普通にすごく面白かったです応援してます！ (2019年6月12日 18時) (レス) id: 7f83943664 (このIDを非表示/違反報告)
透明玄師(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます！もしよかったら、どんなことでもいいので想像した答えを書いていただけると嬉しいです！他の方から何かあれば私の責任で消すので、お気になさらず是非！！ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 9aba64d5b7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 言い忘れてました！面白かったです！ (2019年4月10日 17時) (レス) id: c69dbdc5f7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 気がついちゃいました。相手が誰なのかが気になります。これで見当違いだったら恥ずかしいですけど...。ネタバレに捉えられてしまうなら、返信して貰えたら消します。 (2019年4月10日 17時) (レス) id: c69dbdc5f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透明玄師 | 作成日時：2019年1月13日 2時
