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あれから2日。
『ショッピ君、これでいい?』
グルッペンに気付かれないよう夜に少しずつ作業をし、少し時間がかかったけれど完成させた。
syp「…あ、どうも。もう出来たんすか」
私から紙を貰い、軽く確認をする。
全てに目を通し終わると、顔を上げる。
syp「完璧っす、ありがとうございます」
『いえいえ、私だったらいつでもどうぞ』
syp「はーい」
返事をして、何処かへ行くショッピ。
彼の姿が見えなくなってから、私も総統室へ向かう。
…さて、今日の仕事は。
確か今日は軽めだったから、久しぶりにオスマンの所にでも行こうかな。
彼とは普通に会話しているだけで時間が過ぎるのが早い。流石外交官、といったところだ。
私も外交官だったから、彼の腕がいいのはよく分かる。私の知っている人の中なら、誰も彼には勝てないと思う。
os「あ、A」
『…あ、』
「『ちょうどいいところに』」
たまたますれ違い、笑い合う。
オスマンに敬語を外すのは未だに気が引ける。
けれど、オスマンは外してほしいらしい。
元外交官的立場として、それは難しいとは伝えたけど、ね。
まあ外すって決めたのは私だから、ここで止める訳にもいかない。
os「ははっ、偶然やね」
『そうですね、どのようなご用件で?』
ほらね、やっぱりオスマンには無理だ。
os「ん、お茶一緒にどう?って」
『あら、私もそう考えておりました。決まりですね』
お互い目が笑ってない。
端から見ればただの仲良しというか友人というかだけど、私たち視点では腹の探り合い。
前にもそんな風に思ったことがあった気がする。
os「じゃあ、適当な時間に来て。俺はいつでも大丈夫だから。お菓子も用意しておく」
『はい。楽しみにしています』
オスマンの淹れる紅茶を頂くのは久しぶりだ。
それに、彼の選ぶお菓子は全てが美味しい。
だから余計楽しみなのかもしれない。
少しだけ上機嫌で、午前の業務に取りかかる。
gr「機嫌が良いな」
『そうでしょうか、気のせいかと』
通常業務。
仕事前のオスマンとした約束が頭の片隅に残っている私は、すぐにグルッペンに見抜かれる。
gr「甘いものか」
『ご明察』
此処の幹部は皆勘が良いのかもしれない。
それとも、グルッペンに引き上げられたのか?
何にしろ、今日のお茶はグルッペン同伴になった。後でトントンも誘ってみようかな。
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年9月13日 22時