とある国の元書記長は非現実的な現実に遭遇しました (ページ4)

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“拝啓グルッペン、A

これを読んでいるのがAとグルッペン以外なら、今すぐ読むのをやめろ。今すぐ。

ってことで、読んどるのはAやな?

こっちは皆元気やで。
グルッペンを引き取りに行くことにした。2枚目に書いてあった内容に従うから、その日に二人に会えるの楽しみにしてる。

Aが書いた通り、色々と疑問はある。
今は聞かないから、皆揃ったときに全部聞かせてな。

んじゃまた。

トントン

追伸 2枚目はグルさんに読ませて。”

これで、好きに暴れられる。
グルッペンを引き渡しさえすれば。
国を交わらせない、私しか関わらないから。

これをグルッペンに伝えに行こう。
トントンからの手紙も読ませないといけないから。

『グルッペン様。』

gr「…何だ。」

『トントン様より、お手紙を頂きました。グルッペン様に読んでほしいとのことでしたので。』

トントンから送られてきた手紙の2枚目を渡す。
グルッペンは受け取り、静かに読む。

gr「一週間後か。」

『はい。』

gr「お前は?」

『貴方が国に無事に帰った二週間後を予定しています。』

gr「…待て、」

手紙を読んでいたグルッペンが戸惑いながら顔を上げる。真実を視ようとするその鋭い視線は変わらずに。

gr「お前、彼奴に何吹き込まれたんだ?」

『吹き込まれた、とは?』

gr「質問を変える。俺の命とお前を賭けた取引と聞いたが、どういう内容なんだ?」

＿＿＿答えろ。

逃げることが出来るのは分かっているけれど、
グルッペンのその眼に、拒否権を奪われた。
私自身、これ以上逃れられないことは知っていた。

『もし、トントン様やオスマン様が傷つけられて、今すぐ助けなければ命に関わるとなったとき。貴方はお二人を傷つけた人に「お前が私について来てくれれば彼らは助ける」と言われたら、貴方はどうしますか?』

gr「ソイツを殺す。」

『絶対に先に殺されるとしたら?』

gr「………それは、」

『そういうことです。』

グルッペンは知らない方が良かった。
私が此処に居るのが自分のせいだと思われるのが一番迷惑で嫌。

gr「すまな、」

『謝らないでください。貴方が謝る必要、何処にもありませんから。』

貴方が謝ったら、私は本当に帰れない。
今でさえ戻る資格がないのに、その上貴方に謝られたら。私は帰らないし、帰れない。