とある国の元書記長は非現実的な現実に遭遇しました (ページ16)

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まず第一の案として、ヘーベアンに情報を流す。
第二の案は、ヘーベアンにやられたことをそっくりそのまま仕返しする。
第三の案は、向こうの電波を乗っ取ってそれなりに荒らす。

でも多分、そろそろ向こうも本気を出す。
それの対策もしておいた方がいい気がする。

『どうしますか』

rb「3番目が良いと思う。“それなりに”を守るんやったら、だけど」

『分かりました、ではそれでいきましょう』

…でも、カメラの人影の方も気になる。
並行は厳しいかもしれない。

「Aさん!!!」

と、突然扉が開き、ちらりを見ると、エーミールが急いで入ってきた。
…完全にこの人の存在忘れてた。

eml「今、外に、Aさんに会わせてくれって言う人が、来てて、」

『その人の名前、聞きましたか？』

eml「確か、えっと…ねでぃん？と仰られてました」

ネディン？何故、今。
いや、違う人が彼を騙っているかもしれない。

rb「今、ロビーの映像出すから。…ほい、出た」

『うわぁ……』

こういうときの嫌な予感ほど、当たってしまう。
紛れもなく、ヘーベアンだった。

『後はお願いします。行ってきます、…彼との関係に、ケリをつけに。』

rb「OK、行ってらっしゃい」

やっぱりこれ以上、この国には居れないかも。
そもそも私のせいで戦争が起こったんだし。

居辛いから居れないのかな。

そんなことを考えながら、

『変な人影は貴方でしたか。全て貴方のせいだったんですね、ヘーベアン様』

「勝手に言ってろ。それにしてもこの国には警備というものが存在しないのか？ここまで来るのは随分と容易かったぞ？」

『貴方だから、通したのではないでしょうか。この国は貴方のことを最危険人物として取り扱っておりますので。一応言っておきますが、今さら亡命など出来ませんよ』

時間を稼ぐつもりは無い。
ただ、話すだけ。

「ハッ、亡命などするつもりは無い。お前の方だろ、今なら歓迎するぞ？」

『とても魅惑的だとは思いますが、それは今ではない。貴方なら分かってくれますよね？』

「感情論は通用しないぞ、現に我々国は滅ぶ。私がここに居ることがなによりの証拠だ」

そうですか、そうですよね。
ナイフを持ってるし、殺すこと自体は簡単。

ここで話している間に皆に頑張ってもらう。
それで勝てればいいんだけど。

ってあれ、
今私、“皆”って。

…いつから？