とある国の元書記長は非現実的な現実に遭遇しました (ページ14)

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このままだと、ヘーベアンの対応に時間をとられる。他に手が回らない。

『ロボロさん、彼は私に任せていただけませんか。私を此処に呼んだ理由は彼のことだけでは無いんですよね？』

rb「そうやけど…」

『こんな人に2人で対応する必要はありません。貴方の方が機動力はありますし、動くべきは私ではないかと』

しれっと悪口を挟む。
ヘーベアンに聞こえていたら困るわけではないから良いけど。

rb「分かった。でもその代わり＿＿＿」

『出来る限り、貴方のサポートは致しますので』

rb「ありがと、頼んだ」

ロボロはカメラに映り込んだ変なのを探すのに徹するらしい。
なら、私はヘーベアンからのアクセスを絶てば良いんだよね、きっと。

H『さて、今の戦況を知りたいか？』

『ええ、まぁ＿＿一応知りたいですね』

ヘーベアンの声を私にしか聞こえないように設定する。

ロボロ室にはハイスペックな機材が揃っている。それを使って良いのならヘーベアンのアクセスをブロック出来るかもしれない。……いや、出来る、必ず。

H『まず、幹部一人を捕らえた。名前は……コネシマと言ったか』

…良かった、私しか聞こえないようにしておいて。
この話をロボロが聞いたらどうなっていたか。

作業に集中できないどころじゃない。
もっと悪いことが起こっていた。

H『あとはそうだな、幹部も危ないと思ったのかかなり前線に出てきたな。』

うわ、相手も守り堅いな……余裕かよ。
だったら、ミスを誘ってみる？
煽る？どうする？

H『つまり、どういう意味かは解るだろう？』

『それで？』

H『…は？』

全員に私の声が聞こえるようにする。

『それで我々国が負けたも同然だと言いたいのですか？』

H『いや、』

『我々を舐めてたら後悔しますよ。…幹部一人捕らえたくらいで調子乗らないで貰えます？』

隣で吹き出すロボロ。
私の喋り方がいつもと違うことについては突っ込まないのね、その方がありがたいけど。

H『負け惜しみを……』

『私が負け惜しみを言う程度の人間だとお思いで？』

ついには黙るヘーベアン。
勝った。

謎の優越感に浸りながら、ヘーベアンに最後の言葉を発する。

『そんな感じだから、私なんかに負けるんですよ。』

アクセスを禁止することに成功した。
これだけ見れば完全勝利、だけど。

後は、皆に任せるしかない。