とある国の元書記長は非現実的な現実に遭遇しました (ページ13)

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…またな？
最後にヘーベアンが言った言葉に違和感を覚える。

つまり、今後再び話す機会があるということ。
それがいつになるかは知らないけれど。

rb『A、今来れる？』

そんなことを考えていると、少しだけ焦りを含んだロボロの声がした。

『はい、すぐに向かいます。』

ロボロが焦る。
ということは、電波ジャックされたか、電気系統落ちたか、カメラに変なのが映り込んでいるか。

可能性としては1=3>2かな。
電波ジャックだとしたらあの堅いロボロのセキュリティを通過したということ。

相当な腕の持ち主だね。
そんな人がいたら引き抜きたい…けど無理か。

さて、何処を通って行こう。
ダクトは…ゾムの命令を受けたその辺の兵士が徘徊してそう。ダクトなんて好きに通る人いないし、多分気配を感じた瞬間殺られる。

急がば回れ、って言うし、遠回りだけどダクトを通るのは避けよう。

＿＿＿＿＿

『どうなさいましたか、ロボロさん』

rb『見てやこれ、少し目を離した隙に』

電波ジャック&カメラに変なのが映り込むのW攻撃。
これで攪乱させようとしてるのか。

今の敵はヘーベアンが治める国。
なら、彼の思考を読めば。

その裏をかけば。

…いや、でも待とう。
ヘーベアンって、どういう人だった？

裏をかく。そんな私の考えなんてお見通しな程の策士だった。

だったら、どうすれば。

私は知っている。こういう考えに陥ったとき、もう負けは確定しているってことを。

?『ｻﾞｻﾞｯ＿＿ｻﾞｰｯ＿＿やあ、A、ロボロ』

突然の聞き覚えのない声に戸惑うロボロ。
けれど、私はこの声を知っている。

だって、5分前まで会話していたから。

『犯人は貴方ですか、ヘーベアン様』

H『犯人とはひどい言われようだ。もう敵国だろ、容赦はしない』

余裕ぶった声。
大抵の人間はこの声に騙される。

rb「誰、コイツ」

小声で、不安げな声で私に訊くロボロ。

『ヘーベアン。…今我々と戦争中の国、いわば敵国のトップです』

rb「えっ!?ソイツと仲良いの!?」

『勘違いなさらぬよう申し上げておきますが、彼は以前この国を襲った国のトップでもあります。私が彼のことを認識している理由は、そのときに私に何が起こったか、で伝わるはずです』

ロボロの視線は少し空を彷徨い、
一点に定まり、

rb「オッケ、伝わった」

苦笑いのような表情を見せた。