48話 ページ3
A視点
う「せや、トンチの所までお供しようか？？」
「結構です」
う「なんでや！？」
私がスタスタと歩いて行くと、もー！！待ってよ〜！と後ろから追いかけてくる声が。煩いわ。もー！！煩わしい。
てかさっきの流れまででいくとこれってまさか…まさかの。
う「ぶっへらっ！！」
彼はどうやらまた顔に殴りを受けたようだ。
あ、私じゃないよ？うん。まさか。
コ「大先生っ！！なに俺たちの大事な大事な娘をっ！！」
う「えへへ…可愛い子猫ちゃんはもらったぜ」
コ「なにおうっ！？」
子猫ちゃんとか娘とかなんやこいつら。
「いい加減にせい」
私は2人に蹴りをかます。大先生に至っては、3回ほどキックを受けていることになる。
コ「いってぇ…」
う「ぁん！」
「もう私先入ってるからな！」
ほんまさっきの2人を見習えっていうのー！！
とりあえず私には時間がない。時間が足りない。
走らなきゃいけない。2人の兄を止めなきゃいけない。
だけど敵国の兵隊が邪魔をしてくる。邪魔だ邪魔。私は今すぐ会いに行かなきゃいけないのに！
私はゾムより強ないから傷だらけ。
私は弱いから、全然倒せない。
でもできる限り怪我をしないように、早く前に進むために沢山倒す。
やっと2人が見えてきた。金髪と黒髪の2人の兄。その2人はは全く正反対のように見えてよく似ている。
私にたくさん愛をくれたこと。2人ともそうだ。でもトントンさんの方は相変わらず覚えてへんけど。
でもきっと絶対あの性格なら優しく私を見守ってくれたんだと思う。
グルちゃんの近くにいるのはエーミールと名乗った男が椅子に座りながらコーヒーを飲んでいた。
トントンさんとグルちゃんの戦いを見ていた。いや、見とれて立ち尽くしていた。といったほうが正しいかもしれない。
グルちゃんが倒れた。それにやっと体が動いた。しかしやっぱり声は出なくて。この空気に入れなくて。
ただ唖然と見てるしかなかった。
グルちゃんはゆったりと起きてなんだこんなものかと笑った。そしてトントンさんに銃口を構えた。トントンさんは足元をすくわれて…駄目だ、グルちゃんにトントンさんを殺させない。ダメだ。トントンさんを死なせない。
声を出すんだ。
「グルちゃん！！！！」
グ「っは…！？」
ト「えっ…！？」
発砲はされたものの、その弾丸はトントンさんに当たることはなく、ただ地面に落ちただけだ。
エ「ッチ……邪魔者が来た。」
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作者名：雨音 | 作成日時：2017年7月28日 10時
