先輩が隣にいる世界 (ページ19)

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なるほどってお前、と頭を抱える先輩。

トントン「足首、暫く動かしたらあかんからな」

A「動かしたくても動かしませんよう」

どっちにしろ、相沢さんの逆鱗に触れることは間違いないのはさておこう。

ふらふらと重度のよっぱらいのような歩き方をしてしまう私と、がっちり私を支える先輩は、どこからどう見ても『酔っぱらった後輩を送り届ける先輩』だ。

A「トントン先輩は、今一人暮らし中なんですか？」

トントン「ああ。もうちょっと行った所でずっと一人暮らしやで。」

ヒール、脱ぎたい。今すぐはだしで歩きたい。モラルとしてやめておきたいけど…。

トントン「でも、最近はいろいろあって、友達がよく遊びに来るけどな」

先ほど話していた人たちだろうか。

A「いいですね」

この年になっても、まだ泊まり込みで遊べるような友人がいて羨ましい。

そんな意味を込めて、純粋にそう言った。

トントン「んー、ええんやけど、なぁ」

先輩がそのあと言おうとしたことを、寸前で呑み込む。

何か、問題があったのか、単に愚痴を聞かせたくないのか。

トントン「このまま俺は死ぬ時、孤独死するんか、とか考えてしまう時があるっちゃある」

A「は、早くないですか！？」

トントン「見とけ、30になったら確実に思うからな！」

そんな三十路への道を暗くするような一言に、えぇ、と眉をひそめた。