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A「こうやって、たまに外に出るとダメなんですよね」

前田A、大転倒しました。ありがとうございます。

はぁ、と盛大な溜息をつくと、背中を誰かに撫でられた。

手のサイズ的に相沢さんだろう。ありがたい。

相沢さんはほろ酔い2人組である先輩と私を座らせ、前のつり革に掴まっていた。

「人だし、転ぶことはありますよ。大丈夫です」

顔を上げると、優しい笑顔を見ることができた。

トントン「でもまぁ、見事に転んだなぁ」

そんな平穏な気持ちの中、先輩が先ほどの情景を思い出し笑っていた。

相沢さんは困ったように、苦笑いしている。それはそうだろう。

しかし、笑いごとにしているとは言え、挫いた右足首が赤く腫れている。

A「先輩の家ってこっちじゃないですよね」

電車の中には、私含めて2人の"自宅方面"だから乗っている人、"転んだアホを家に送り届ける"ために乗っている人――――つまり、相沢さんと私、先輩がいた。

トントン「まだ終電まで時間あるし、余裕で行けるわ。それにそんなんじゃ、階段上れないやんけ」

この言葉には否定しようがない。

さきほども先輩に支えられて駅の階段を上ってきた所だ。

ここはおとなしく、先輩のサポートに身を託そう。

トントン「そういや、前田の担当の苗字、相沢らしいで」

A「あ、そうか。」

そんな偶然を言っていると、相沢さんが驚いていた。

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作者名:岡山 | 作成日時:2016年7月30日 12時

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