先輩が隣にいる世界 (ページ14)

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5-3トントンside ページ14

乾いたコンクリートを蹴り飛ばすようにして歩いていく。駅との距離はどんどんと縮まっていく。

しんぺい神「やっぱりまだ夜は肌寒いな」

トントン「神は下界に降りると、寒さを感じるんやな」

神は軽く笑った後に、右手の人差し指を空に指さした。

しんぺい神「残念。上におっても寒いし暑いで」

トントン「夢がないなぁ、天空も。」

しんぺい神「トントンはこのネタ大っ好きやな。楽しいからいいけどさ」

だって神やぞ？いじるしかないだろう、その設定で。

なんてアホな会話は２人にも筒抜けらしい。特にネタを理解する相沢ちゃんが、笑いをこらえるのに必死だ。

確かに、まだ前田には何も言ってないので言及されると困るは、困る。

相沢ちゃんは口元を押さえ、不思議そうにしている前田に「何でもない」と首を横に振っている。

しんぺい神「こらこらこらー、表情が豊かなのはいいけど、情報の流出はアカンぞう」

神がそんな相沢ちゃんに向かって、おかしなテンションで言うが、今度は「はい」と必死に首を縦に振っていた。

しんぺい神「話は変わるけど、トントンっていつ暇？」

トントン「わい？」

そうやなぁ、暇なときか…

トントン「言ってくれれば、適当に飲みに付き合うで？」

しんぺい神「さすトンってやつやな」

トントン「いや、今回は別物件やろ？」

しんぺい神が笑って誤魔化した次の瞬間。

前田が、俺の視界から消えた。

というか、奴が転んだ。