三十五頁目 ページ39
宮香_。
Aside
静まり返った医務室を覗くと、神は瞳に涙を溜めながら山積みになった書類に頭を抱えていた。
執筆中の彼はペンを走らせていない手でお尻を擦っている。
『神、どうしたの？』
神「……トントンに思いっきりケツしばかれて、書類増やされた…うぅ……」
彼が必死に取り掛かっていた書類に視線を落とすとあらびっくり。
ズラリと難しい単語、数字、グラフが並べられている。
こんなの、分かったもんじゃない。
私はそれに目を丸くしていると彼は笑いを堪えるかのようにして言葉を紡いだ。
神「Aってもしかして……脳筋？」
『……なに、それ？』
くくく、と口元を綻ばす彼の眼に涙はなくなっていた。
空元気ではないみたい。
一人でも誰かの心が沈んでいると、必然的に場の空気は重たくなる。
皆には覇気に満ちていてほしい、そんなことを頭に浮かべながら一秒でも早く終わらせるために神のサポートに徹底していた。
_____
大きな伸びを心地よさそうにした彼は言葉を漏らす。
神「んーッ……やっと終わったぁ…」
『……大先生は今頃何してるんだろうね』
神「きっと書類に取り掛からず遊んでいたところをまた説教されたんやろw」
いやー勝利の女神は俺に微笑んだわ、そう彼は悪戯に嘲笑んだ。
神「あ、A。リストバンド貰ったんだ。よかったな。
まだ来て3日目だけど、慣れてきた？敵国だから居心地は良くないだろうけど」
『……！そんなことはないよ。私は皆のお蔭で楽しめているから。
……ただ、シャトルーズを信じていいのか、我々国を信じていいのか…気持ちがあやふやになっている』
あの日から思考が追い付かず、ふわふわと足が地面から浮いているみたい。
拳を強く握りしめ足元ばかりを見つめていると、頭の上に温かい何かが私を優しく撫でた。
神「何も焦ることはない。ゆっくり、時間を掛けて答えは導き出すものだ。
だから今一秒一秒を大切に楽しもう、な？」
真剣でなおかつ温かい眼差しは私の心に安心感を灯らせる。
『……ありがとう。
そういえばロボロは…？』
神「熱は下がったみたいだけど……安静にしとけって言ってるのにもう行っちゃったよ」
熱が下がったのならよかった。
その時、灰色の雲に隠れていた太陽がその姿を現し医務室に光を差した。
神「天気も良いしゾムと遊んであげたら？w」
『じゃあそうするね』
私はそれだけ言い残し、訓練棟へと足を走らせた。
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宮香(プロフ) - Apricot02さん» あぷりん！！コメントありがとう！頑張るね！w (2016年11月17日 19時) (携帯から) (
レス) id: 52f2921e66 (このIDを非表示/違反報告)
Apricot02(プロフ) - 面白いです！これからも更新がんばってくださいね(* 'ω')ﾉあと、お気に入り100人おめでとうございます (2016年11月17日 18時) (レス) id: 6a83ea3325 (このIDを非表示/違反報告)
宮香(プロフ) - まっすーさん» コメントありがとうございます！(｀・ω・´)笑って頂けて幸いですwこれからもよろしくお願いします！！ (2016年11月5日 18時) (携帯から) (レス) id: 52f2921e66 (このIDを非表示/違反報告)
まっすー(プロフ) - UFOに乗せてもらえば良かったって大先生…w不意打ち過ぎたw (2016年11月5日 18時) (レス) id: e7189ac219 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 桜風瑠璃さん» おー、桜風ちゃんありがとう！いつもコメントくれてありがとうw続き、楽しみにしててくださいね！ (2016年11月3日 20時) (レス) id: 36e773549b (このIDを非表示/違反報告)
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