第21話 ページ23
*レイ side*
ある日の事、私はとある理由でチーノ先輩の部屋を訪ねていた。
レイ「チーノ先輩、レイです。今、大丈夫ですか？」
「おー……」と覇気の無い返事が聞こえたかと思うと、ゆっくりとドアが開かれた。
そこから出てきた彼の顔には、トントンさんにも負けず劣らずの濃い
レイ「先輩……また眠れなかったんですか？」
チ「ん……あぁ。ごめんな、心配かけて。でも、大丈夫やから」
原因はわからないが、ここ最近、チーノ先輩はよく眠れていないらしい。
私に心配させまいと無理して笑う姿を見るのが、
チ「ところで、何か用事でも？」
チーノ先輩に言われ、ここに来た目的を思い出す。
レイ「あっ……実は、これを渡したくて」
そう言って私が差し出したのは、良い香りのするアロマの小瓶。
レイ「街に評判の良いアロマ屋さんがある事を、オスマンさんに教えてもらって……そのお店に行って、自分で作ってみたんです」
チ「え……俺の、ために？」
レイ「はい！」
そう笑いかけると、チーノ先輩は予想に反して、どこか
レイ「あ、あの…お気に召しませんでしたか……？」
不安になって恐る恐る尋ねると、チーノ先輩はハッと焦ったような顔をした。
チ「あっ、いや……違うんよ。ごめん。すごい嬉しいで。けど……」
何かを言いかけたチーノ先輩は、我に返ったように表情を曇らせる。
チ「……ごめん。ちょっと……外の空気、吸ってくる」
レイ「あっ……先輩!?」
スッと私の横を通り過ぎ、チーノ先輩はおぼつかない足取りでどこかへと行ってしまった。
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空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
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