第20話 ページ22
*チーノ side*
思わぬ内容に、一瞬息を呑む。
チ「……それはつまり、誘拐しろと？」
カーラ『まぁ……簡潔に言うとそうやねぇ。本音を言えば、幹部勢や総統を誘拐できればええんやけど……どうせ、貴方の実力じゃあ無理やろ？ けど、貴方の事をえらい信用しきってる後輩一人くらいなら……
彼女を…レイを、
カーラ『ほな、よろしく頼むわね』
俺の答えを聞く気などさらさら無いであろう女王は、そう言い残して一方的に通信を切りやがった。
チ「あんのクソ姉貴……」
舌打ちをし、適当に情報を送信して力任せにパソコンを閉じる。
……もう、自分でもわかっていた。
俺は……とっくに、この国に染まってしまっているのだと。
あのクソ女王が治める国みたいに……何か失敗しても強く
何より───。
『チーノ先輩！』
……初めて、心の底から護りたいと思える存在ができた。
俺には……できない。
総統を、幹部たちを、この国を……大事な後輩を裏切るなんて、できるわけない。
でも……今更全てを打ち明けて、本当の仲間にしてもらおうなんて…都合が良すぎる。
俺がスパイだというのは、紛れもない事実だ。
我々国が不利になる情報を送り続けていたのも、事実。
その答えは、どうやら今すぐには出てきてくれないらしい。
かといって……のんびりしている暇も、あまり無い。
女王から命令を受けた以上、早いうちに実行しなければ怪しまれてしまう。
俺は……どうすればいいのだろうか。
チ「クッソ……！」
誰も居ない部屋の中、俺は独り頭を抱えてうずくまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
