ドーミー・グリーン/osmn ページ6
「その格好なんなん、もうちょっとどうにかならんの？」
「えー、いいじゃないですか。
別に外に出るわけじゃないし、見るのオスマンさんだけだし。」
「……まあええけど。」
そんなこと言われても、暑いんだから仕方がないのだ。家の中で熱中症なんてことになったらいよいよ本気で笑えない。
少し冷めたおかずと味噌汁を皿によそい、白米の入った炊飯器をパカリと開ける。少し固くなってしまっているが、まあ許容範囲内だろう。二人分の晩御飯が用意された食卓に、部屋着に着替えたオスマンさんと一緒につき、揃っていただきますをした。いつも喜んで食べてくれるオスマンさんは今日も、にこりと笑んで「美味しい」と言ってくれた。
「ごちそうさま。」
「ごちそうさまでした。」
フライパンの中まできれいに完食したわたしたちは、再び揃って手を合わせていた。食べ終えた二人分の皿や茶碗をシンクに置く。いつもならこのまま食事を終えるところだが、今日はそうではない。食器棚から一回り小さな皿と銀色のフォークを取り出し、食卓テーブルに置けば、オスマンさんはそれを見て目を輝かせた。察しが良くて助かる。
「ふふ。デザートとお酒、用意してありますよ。」
「Aちゃん、わかっとるやん。
せやけどいつもは『身体に悪い』だの言うて飲ませてくれへんのにどしたん？ようやくお酒の良さわかってくれたんか？」
「明日から夏休みですからね、お疲れ様でしたの意味も込めて。
あとわたし未成年ですから。お酒飲めませんし良さもわかりません。」
「ふーん？」
「いや別に誤魔化しでもなんでもないですけど。」
皿を並べたテーブルの中央に、冷蔵庫の中身を並べていく。お酒についてはよくわからなかったため、トントンさんと一緒に買いに行ったときにおすすめされたものを選んだ。トントンさんに付いてきてもらったのは、未成年なのでお酒は買えなかった、という理由がある。ええもちろん、このことをオスマンさんに言ってはいけないのはわかっている。
ショートケーキ、スカイブルーのマカロン、抹茶のお菓子の数々をテーブルに置くと、オスマンさんはぺろりと唇を舐めた。どうやらわたしのラインナップはお気に召したみたいで、我ながらさすがわたし、と心の中で胸を張った。
「全品わたしの奢りです。召し上がれ。」
「やっぱAちゃん大好きやわ。いただきます。」
「〜〜〜っ！！わたしもすきですっ！」
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