ミスト/emi ページ30
ミルクをたくさん入れたコーヒーの様な薄々い瞳の持ち主は私の幼馴染のあいつ。飽きないのか、と言いたいほどに本にくっつき、無限に広がるあの想像力や知識達。正直言って羨ましいけど、何だか悔しいので絶対に本人には言わない。今や結構この辺で有名な大学の教師を務めていて、よくすちゃから能天気大学生が〜と楽しげに話してくれる。よっぽどその大学が好きという事が嫌でもわかるくらいだ。
そんな完璧に見えるあいつは、以外と抜けているところがたくさんある。
例えば、コーヒーを飲んでいたら時間を忘れていて、生徒達が提出したレポートのチェックをする時間がなくなったり。そんな事があればよく私の家に、助けて!と駆け込んでくる。
そんな所が以外と可愛い何て言えない。
そう思い返してみると、やっぱり完璧な人間なんていないな、何て思ったり。
あいつの瞳は薄々い茶色、ミスト。
最初にあの瞳を見て思ったことはただ一つ。
「優しい色。」
見た目は完璧に見えても、どんなに知識があっても、やっぱり人は完璧ではない。
出会ってから数年経つと、あいつの瞳のイメージが変わった様な気がした。ただの優しい色ではなくて、なんか、こう…言葉にできないけどただの綺麗な色じゃない感じ。いい意味で。
実はその事を、あいつが言ってたすちゃから能天気大学生の子、ゆかりちゃんに話したら、私もなんかわかる気がします!って同意してくれた。やっぱり私だけじゃなかったんだね!
「ふぅ…いろいろ考えてたら眠くなってきたなぁ。」
まだお昼だけど、たまには昼寝したっていいよね?というかこんなに一つの事に集中して考えたのは初めてかも。いつもは違うってわけではないけどね。
よーし久しぶりの昼寝だから沢山寝るぞー!
ぼふんっとリビングにある大きなクッションに倒れこむ。
窓を開けたままだっから、外の暖かい風が自分の髪を撫でる。
また明日、アイツに会いたいな、なんて。
思ってたりしてね。
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