【wrwrd!】COLOR.【企画】 (ページ29)

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シルバー/snpi ページ29

明るい日差しが降り注ぐ、暖かな日の午後

恋人同士の男女が、あるマンションの一室でくつろいでいた

どちらもソファに座って、スマホをぼんやりと眺めている

女がふと、口を開いた

『ねえ、指輪がほしい』

男はちらりと、視線を送った

「へぇ？おねだりなんて、珍しい事もあるんやなぁ」

女は、男の顔を見上げた

『あなたの骨で作った指輪よ』

「・・・ん？」

神の骨は、銀で出来ているらしい

byぐーぐる先生

「つまり、シルバーリングが欲しいと」

女にスマホを突きつけられ、ぐーぐる先生のお言葉を読んだ男は

納得したように頷いた

「神の骨が銀、ねぇ。金とかじゃないんやな」

『それじゃあ、すぐに骨折してしまいそうね』

「ダイヤとかのが丈夫やな」

それを聞いた女は、意地悪そうに微笑んだ

『もし、神様の骨がダイヤで出来ていたら

あなたはダイヤの指輪を私にくれる？』

「シルバーリングが欲しいんじゃないんかい」

男は苦笑いを返す

女は微かに首を振った

『そうゆう訳じゃないの』

「じゃ、どうゆう訳」

『当ててみて』

意地悪な微笑みはそのまま、女は好戦的に男の瞳を見つめる

男は、綺麗に輝く女の瞳を見つめ返した

そして首を傾げる

「それは」

男の口の端が、ふわりと持ち上がった

「好きな人の体は、一部でも自分のモノにしたいってことやんな？」

女は目を見開く

『・・・なぜ』

「恋人同士、考えてることは同じやなぁ」

男は、自分の近くにあったバッグから、小さな箱を取り出した

「ほい」

女の手の平に、その箱をのせる

そして、恐る恐るその箱に手をかけ、開けた

中に入っていたのは

サイズの違う、綺麗なシルバーリングが２つ

女がため息をつく

それは、幸せがもたらしたもの

『ペア、ね』

「そうやねぇ」

『うれしい』

「喜んでもらえて何より。こっちもうれしいよ」

男は、小さいほうの指輪を手に取り

「Aは、俺の女神様やからな」

女の左手薬指に、それを通す

「女神様の骨を持つのも、俺の骨を持ってもらえるのも、幸福や」

男が女の手を放す

ひと時の沈黙

そして２人は、同時にふきだした

『ふふ、指輪のサイズ、合ってないじゃない』

「まあ、それが俺ららしいやんけ」

２人は、幸せそうに笑い合う

とある休日のお話