アイボリー･ブラック/grpn ページ16
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「今日の仕事？ 多分これが全部だけど……」
「え、これ昨日より結構少ないですよ！？」
「いや、私は詳しく知らないよ？ 知ってるとすれば……グルッペンさんくらいじゃないかな」
翌日、火曜日。今日の仕事は……と思ったところで来たのは、前日の月曜日より随分と少ない量だった。え、とつい驚きを漏らすも詳しくは分からないらしい。昨日の予定では昨日と同じくらいの量だったんだけど……
「先輩！ 私の仕事の量が可笑しいんですけど何か知ってます？」
「……何の話なん？」
あ、言葉不足だったかな。そう思って言葉を1回整理しようと黙る。わざわざこうも短い休憩を使っているから早めに済ませたい。仕事がすごく少ないんですけど、で大丈夫かな。
「私の今日の仕事の量が少ないんですよ！ 予定では昨日と同じくらいの筈なのに！」
「……ほぉ、ラッキーやんけ」
「そうですけど！ なんか変ですよ！ もしかして先輩が昨日私の分やってたりとかしてません？」
なんて、冗談めかして言ってみる。昨日のこともあるわけだし、可能性が無いとは言いきれないんじゃないか。
「……やっとらんなぁ。」
「今の空白はなんですかぁ！ 照れないで白状しちゃって下さいよ！」
「……もしやったっつったらどうする？」
「えっ本当にやったんですか？」
……自分から聞いたのにこの返答は予想してなかった。そもそもこの人にそんな良心があったのか、なんて自分の世界に入り込む。
結構助けてもらってるから良心はあると思うけど、なんの得にもならないんじゃ……？
「……先輩！」
「……なんや」
「私を買収するとかは駄目ですよ！ 私そういうのちゃんと拒否する人間なので！」
「なんの妄想しとんねん。俺はそこまで非道なやつちゃうわ」
……あれ、想像してたのと違う？
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