我々の街、ハイカラシティにて:Stage1[w.r.w.r.d]

battle39 ページ41

*オスマン side*

その後しんぺい神に聞いたところ、その子どもを数日間保護していたそうだが、親戚の家に引き取られてすぐに学校生活を再開したそうだ。

正直、なぜあの時死ななかったのか自分でも不思議に思う。

俺の信仰心の強さを見込んでくださった神の、最後の慈悲だったのかもしれない。

もしくは…『そのキズを抱えて生きていけ』という神からの罰なのか……。

だが、今となってはどっちでもいい。

それよりも…あの時の子どもが、今目の前に居るこいつだったとは……。

オ「……恨んどるよな？ 俺の事」

目を合わせていられず、顔を伏せる。

オ「その場に居たのに……お前の母親を死なせてしまった。罪の無い人を…俺は……」

ひ「……恨んではいない。むしろ……


感謝するべきだと思ってる」


オ「は……？」

予想外の言葉に、思わず顔を上げる。

ひ「あの時オスマンが来てくれなかったら、俺は死んでいた。あんたが戦ってくれたから、今俺はここに居られる」

オ「でも……救えたはずなんや。それなのに、俺が油断したせいで……」

ひ「だからって、オスマンのせいにはならない。あの時何もできなかった俺なんかよりずっと、母さんを護ろうとしてくれてたんだから」

オ「……！」


ずっと、後悔していた。


あの母親を救えなかった事を……何度も嘆いた。

不甲斐ない俺を、こいつは許すと言うのだろうか。

ひ「その時のあんたを見て、強くなろうと決めた。もう誰も死ななくていいように……傷付かなくていいように」

そうか…こいつが強さを求める目をしていたのは、そういう事か……。

ひ「ずっと……お礼(ﾚｲ)を言いたかったんだ。


……あの日、俺たちのために戦ってくれてありがとう」


あぁ…そうか……。

俺はただ……許されたかったんだ。

俺のキズは無駄じゃなかったと、認めてほしかったんだ。

ただ、それだけで───。

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