第十の道 ページ10
*グルッペン side*
ゾムの手当てを済ませ、簡単には見つからないであろう場所に寝かせてから、俺はJrの元を訪れた。
グ「……入るぞ」
一声かけてドアを開けると、Jrはこちらに背を向けてソファーに寝転がっていた。
グ「……叔父貴の事…すまんかった。俺らが居(ｵ)りながら…叔父貴を……」
ト「別にお前らが悪いわけやない。父ちゃんだって、ろくな死に方せん事くらいわかってたやろ」
普段なら生意気な奴だと憤慨するところだが、とてもそんな気分にはなれん。
目のやり場に困って適当に部屋を見渡していると、テーブルの上で自然と目が止まった。
コレは…Jrが叔父貴のために描いていた……？
手に取って見て、俺は何とも言えなくなってしまった。
そこには、三人の人物が描かれている。
叔父貴と、Jrと、写真で見たのであろうJrの母親。
子どもらしい乱雑な絵だったが、三人とも幸せそうに笑って寄り添っているのがわかる。
……叔父貴にも見せてやりたかったわ。
グ「……良い絵やな」
Jrの背中が、ビクッと跳ねる。
グ「……ガキのくせに、独りで泣くとか虚(ﾑﾅ)しないか？」
絵に付いている小さな染みにチラリと目をやり、ポツリと呟く。
グ「なぁ……我慢せんでええんやで？ 今のお前は、次期我々組組長やない。───ただのクソガキや」
ト「っ……！！ っ……」
バッとこちらを向いたJrは、目にいっぱい涙を溜めて抱きついてきた。
ト「うっ……うわぁぁぁぁぁん！！！！」
泣きじゃくるJrを、力いっぱい包み込んでやる。
俺がこいつを護るんや……叔父貴を護れなかつた分も。
グ「飽きるほど泣けや、クソガキ……」
Jrに気付かれないよう、俺は静かに涙を流した。
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空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…！ 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動！ｼｬｵさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…！ そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω｀*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす！更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…！ 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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