第四十六の道 ページ46
*トントン side*
コ「……ずっとな、考えてたんやけど」
グッと拳を握り締め、コネシマは深く頭を下げてこう言った。
コ「───少しの間、組を離れさせてほしい」
グ「っ！」
鬱「兄貴……」
コ「俺らなりに、ケジメをつけたい。気持ちを整理して……また、帰ってくる」
グ「……俺との約束は…果たさないのか？」
そう言うグルッペンの声は、微かに震えていた。
それを受けて、コネシマがゆっくりと顔を上げる。
コ「……すまん。不祥事起こした俺に、お前との約束を果たす資格は無いんや……」
グ「……そうか」
小さく呟いたグルッペンは、コネシマを真っ直ぐ見つめてこう告げた。
グ「ほんならここで、新しい約束してもらおか」
コ「えっ？」
キョトンとするコネシマをよそに、グルッペンは口を開く。
グ「───トントンが組長になった時は、俺とお前で支えるぞ」
ト「……！」
コ「グルッペン……」
グ「……必ず守れよ」
ふっと微笑むグルッペンに、コネシマも目一杯笑って応えて見せた。
コ「おう！！ 約束や！！」
ー＊ー＊ー＊ー
エ「行ってしまいましたね、あいつら……」
しばらくして、コネシマ派の三人は組を離れていった。
少なくとも、もうこの街には居ないだろう。
グ「……そうだな」
あれからグルッペンは、どこか物足りなさそうな様子だ。
いっつも争ってたけど……なんだかんだ必要な存在やったんやな。
ト「……なぁ」
こちらに目を向ける三人に、改めて宣言する。
ト「俺っ、一日も早く立派な組長なって見せるから！ そしたら……あの三人も帰ってくるよな？」
身を乗り出してそう言うと、三人は揃ってふっと笑みを漏らした。
グ「当然やろ。約束……したんやからな」
俺の頭に手を置き、優しく撫でるグルッペン。
グ「その時まで、俺らが絶対に護ったる。せやから……安心して組長になれや、トントン」
ト「おう！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…！ 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動！ｼｬｵさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…！ そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω｀*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす！更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…！ 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
