第五の道 ページ5
*オスマン side*
オ「……兄貴」
グ「……………」
オ「兄貴……道間違ってます」
助手席から声をかけると、グルの兄貴はハッとUターンした。
エ「あの…今度は来た道戻ってるんですが……」
後部座席のエミさんも、躊躇(ﾀﾒﾗ)いがちに指摘する。
オ「兄貴、俺が運転します」
グ「あ、ああ……すまん」
席を代わり、アクセルを踏む。
エ「大丈夫ですか？ 兄貴らしくもない……」
グ「……すまんな」
まぁ無理もないか……。
グルの兄貴はコネシマ同様、叔父貴に命を拾われた身。
ショックを受けるのは当然だが……何て言うんやろか。それ以外に何かを気にかけとる気がする……。
オ「……兄貴、他に気にかかる事でも？」
思いきって訊いてみると、兄貴は叔父貴の帽子を握り締めて口を開いた。
グ「……今頃、本部への連絡聞いてるんやろか…Jrの奴」
エ「え？ まぁ……もうすでに耳に入っているかと」
オ「まさか兄貴……Jrの事を気遣っているんですか？」
俺たちにとってあのガキは、ただの道具にすぎない。
他でもないグルの兄貴が実権を握るための、ただの手段の一つ。
だというのに……情でも湧いたのだろうか。
オ「叔父貴が殺られた今、叔父貴の後(ｱﾄ)はJrが継ぐ事になるでしょう。でも、あいつはまだ幼すぎる。そこを兄貴が補佐すれば、ほぼ計画通りですよ？」
グ「……それなんや。俺たちはあいつを、道具としてしか見とらんかった。肉親からろくに構ってもらえんかった、幼い子どもを……」
エ「それはそうですけど……」
確かに兄貴も人間や。心変わりする事もあるだろう。
だが……残念ながら俺は、兄貴ほど情を抱いてはいない。
それでも、兄貴がJrの扱いを改めるのなら、俺たちはそれに従うまで。
兄貴の望みを受け入れる事こそが、恩返しになるのだから。
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空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…！ 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動！ｼｬｵさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…！ そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω｀*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす！更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…！ 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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