第三十五の道 ページ35
*トントン side*
誰か居るのかと思って覗き込むと、緑のパーカーを深く被った見知らぬ男が、備え付けのベッドの上であぐらをかいていた。
？「心配ご無用。こっそり上から食いもん調達してたからな」
グ「いくら暗殺者とはいえ、あまり危ない橋を渡るなよ。そんなくだらん理由で死なれたら困るんや」
？「へいへい」
暗殺者……？ なんでそんな奴がここに……。
？「んで……そのガキは？」
とっくに俺に気付いていたのであろう暗殺者が、フードの奥から俺を見据えてくる。
鋭さを秘めたその瞳に萎縮しそうになるが、こんな事で怯んでいたら組長なんて務まらない。
グ「叔父貴の息子や。トントン、こいつはゾム。裏社会で名を馳せとる暗殺者やで」
ゾ「ふーん、そいつが例の……」
俺を見つめたまま、ニヤッと口角を上げるゾム。
グ「さて……心して聞けよ、トントン」
突然真剣な声色になるグルッペンに、自然と体が強張(ｺﾜﾊﾞ)る。
ト「な……何や？」
恐る恐る視線を上げると、グルッペンはこう告げた。
グ「───この男が、叔父貴を殺した張本人や」
……………え？
グ「勘違いすんなよ？ あくまで実行犯ってだけで、真犯人……依頼主は別におる」
ゾ「んなオブラートに包まんでも、はっきり言やあええやん。『こいつがお前の親父を殺した憎むべき相手やで』って」
親父は…こいつに殺された……？
でも、じゃあ…こいつを使って親父を殺そうとしたのは誰……？
俺が憎むべきなんは…誰……？
グ「お前にはまだ早いと思ってたが……あの時のお前を見て確信した」
よくわからない事を言いながら、グルッペンは俺に拳銃を握らせた。
グ「こいつを殺すか生かすか……お前が決めろ」
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空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…！ 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動！ｼｬｵさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…！ そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω｀*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす！更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…！ 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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