第三十三の道 ページ33
*シャオロン side*
シ「兄貴……兄貴の目的は何ですの？」
コ「あぁ？」
俺の胸ぐらを掴む兄貴の腕を掴み、その目を真っ直ぐ見据える。
シ「そんなの、昔っからただ一つでしょう？……“叔父貴を越える”。つまり……あんたはこの組のトップにならんとアカンのや」
コ「……確かにな。その野望は諦めてへん。せやからって……叔父貴だけじゃ飽き足らず、グルッペンらまで殺るって？ そんなんおかしいやろ！！！」
シ「おかしいのは、コネシマの兄貴をトップにせんこの組です。……知ってますよ兄貴。兄貴が、どんな気持ちでグルッペンを見てたのか」
コ「っ……！」
ビクッと震え、力の抜ける兄貴の腕。
それをゆっくりと下ろしながら、彼に向けて続ける。
シ「実際叔父貴に頼られてるのはグルッペン。仕事を任され、褒められるのもあいつの方が多い……。自覚、ありますよね？」
コ「っ、それは…あいつの方が力があるから……」
シ「認めてしもてええんですか？」
コ「……………」
いいわけない。兄貴がどんだけ叔父貴を慕っていたのかなんて、見ていれば誰でもわかる。
狂犬さながら、汚れ仕事も叔父貴のためなら何でもやっていた。
せやから俺も……そんな子分になりたいんや。
シ「大丈夫です。兄貴がトップに立てば、我々組はますます勢力を伸ばせます」
コ「……グルッペンらを殺れば…？」
シ「はい。兄貴はトップに……いえ、叔父貴を越えた存在になれるでしょう」
自信満々でそう言うと、コネシマの兄貴は口角を吊り上げた。
コ「あぁそうや…そうやった……。ずっとずっと邪魔やったんや。なら、消せばええ。消してしまえば、もう邪魔じゃなくなる」
鬱「兄貴っ＿＿＿」
余計な事を言う前に、鬱の鳩尾(ﾐｿﾞｵﾁ)に肘鉄をくらわせて黙らせる。
コ「殺ろう……殺るでシャオロン。そうすれば、俺が組長に……！」
シ「さすがです兄貴！ やっぱり判断力が違いますわぁ。ほんなら早速、作戦会議しましょか」
兄貴を促し、座って話を進めていく。
そんな俺たちを見つめる鬱の様子なんて、もうどうでもよかった。
鬱「っ……」
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空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…！ 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動！ｼｬｵさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…！ そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω｀*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす！更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…！ 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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