第二十六の道 ページ26
*グルッペン side*
───ドガァンッ!!!
グ「……え…?」
ゆっくりと目を開けると、いつの間にか目の前に二つの人影が佇(タタズ)んでいた。
「うちの兄貴が世話になりました」
「俺らとクソガキの分も合わせて、きっちりお返しさせてもらうで」
グ「エーミー…ル……? オスマン……」
エ「間一髪とはこの事ですね……。とにかく、二人とも生きてて良かったですわ」
ロケランを構えたエーミールが、振り向いて微笑む。
グ「お前ら……。意識が回復するまで…数日かかると……」
エ「嫌な予感がして、早起きしてしもたんです」
おどけたように笑って見せるエーミールの横で、オスマンは敵を見据えたまま口を開く。
オ「おいクソガキ」
ト「……!」
オ「……兄貴を頼んだで」
ト「え……?」
オ「もし死なせたら、俺はお前を許さんからな」
素っ気なくそう吐き捨て、オスマンは交戦を始めた。
エ「すまんなJr。あれでもオスマンの奴、お前を見込んどるから頼んだんやで」
ト「え……俺を?」
あれだけ否定的だったオスマンが……。
エ「待っててください兄貴。すぐ片付けますんで」
そう言ってエーミールは、もう一発ロケランをかました。
ト「た、頼むって言われたって……」
戸惑っていたトントンだったが、背後から敵が来たのを察して目付きを変えた。
もう、引き金を引く手に迷いは無かった。
今度は的確に、敵の心臓を撃ち抜いて見せるトントン。
その目を見て、思わずゾクッとした。
同じや……本気でキレた、叔父貴の目と。
グ「はは……」
この年でそんな目ぇできるなら…大したもんやな……。
頼もしい未来の組長の姿を最後に、俺の意識は暗転した。
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空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…! 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動!シャオさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました! (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…! そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω`*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす!更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…! 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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