第十七の道 ページ17
*グルッペン side*
エ/オ「「っ……！」」
二人揃って目を見開いた後(ﾉﾁ)、エーミールは決まり悪げに目をそらした。
エ「そ、それは……」
オ「……ええ、その通りですね」
対してオスマンは、視線をそらさずきっぱりと言い放った。
エ「オスマン……！」
オ「兄貴に隠し事しても無駄や。エミさんだってわかっとるやろ？」
エ「っ……それもそう…やな。すいません兄貴。確かに俺らは……兄貴ほど、そいつを受け入れてはおりません」
グ「……ええんやで。それが当然の対応なんやから」
別にこいつらを責めるつもりは無い。
ただ、確かめたかったのだ。
オ「……でもですね兄貴。兄貴がそいつを道具としてではなく、慈愛の対象として扱うのなら……俺たちもそれに従いましょう」
グ「……！」
オ「俺らは兄貴に拾われた身。兄貴に恩義があり、信じているからこそ……そう決めたんです」
グ「……そうか。ありがとうな、お前ら」
ト「……………」
ー＊ー＊ー＊ー
観覧車から降りる頃には、トントンもすっかり起きていた。
ト「なぁグルッペン、肩車してや！」
グ「ハァ……？」
すでに肉体的に疲弊していた俺は、唐突な申し出に素直に応じる事ができなかった。
オ「最初に言うたやろ？ 兄貴はもうくたくたなんや。ほら、俺がしたるわ。俺の方が高いで？」
ト「嫌や、グルッペンが良い」
オスマンの笑みが、ピシッと固まる。
相当我慢してくれてるんやろうな、あいつ……;;
グ「ハァ……わかった。ちょっとだけやで？」
仕方なくトントンを抱き上げ、そのまま自分の肩に乗せる。
ト「うわ〜……！ たっかいなぁ！」
グ「満足か？」
ト「も、もうちょっと！」
グ「はいはい……」
しばらくその状態で歩きながら、ふと考える。
こいつは……叔父貴とこういう風に遊んだ事が無いのだろう。
そこら辺の子どもが当たり前にしてもらっている事さえしてもらえんまま、こいつの両親は───。
……だから決めたんや。叔父貴たちの分まで、俺がこいつを愛してやると。
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空文 晴霧(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます…！ 楽しんでいただけて何よりです(*^^*) (2021年8月19日 10時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 感動！ｼｬｵさんのとことか涙が………素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年8月19日 1時) (レス) id: c364a2612c (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» ありがとうございます…！ そう言っていただけるのがとても嬉しいです(*´ω｀*) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
にんけん(プロフ) - そんなことないっす。空文さんの小説めっちゃいいっす！更新楽しみにしてますっす。 (2019年6月27日 22時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - にんけんさん» いえいえ…！ 私もまだまだですよ(笑) (2019年6月27日 22時) (レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
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