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次にスケッチブックを手にとる。
表紙の隅に「ナツメ」と書いてあった。ナツメ、が私の名前かな?芸名ってこともありえるけど……。
表紙からパラパラとめくって絵を眺める。
(……前世の推しじゃねえか)
この体は生まれた時から私だったらしい。絵のタッチも私。描いている推しも前世と同じ。
憑依転生ではないってことがわかった。
それにしても名探偵コナンか……夢小説でよくある救済、できるか?他人を救うどころか自分が助けてもらう側なんだよな……そのために他の人を巻き込むわけにはいかないし。
でも、運命を知っている命を見殺しにするのは避けたい。
とりあえず自立できるように頑張ろう。
2日後、聾者支援施設『柊の家』の施設長、吉永さんという人が来て、私を引き取ってもらえることになった。
柊の家は杯戸町にあるらしい。
吉永さんは60手前のイケオジ。
4日後、退院した私は吉永さんの車で柊の家へ。
音のない世界にもだいぶ慣れ、外の景色を楽しむ余裕もできた。
柊の家は高級宿のような佇まいだった。私は広い一室を与えられ、この施設でのルールを聞いた。
まず、私は16歳……高校2年生という扱いになった。当分の間は高校の勉強をするらしい。そのあと、特に希望がなければ施設から仕事を斡旋してもらえる、とのこと。
ここで暮らしている他の人たちとの顔合わせも済ませた。
名前は柊ナツメ。あと目立つから髪は黒に染めた。眼も青かったけど顔立ちが外国人だったからこっちは紺色のカラコン。
一応私訳ありっぽいし、申し訳程度に変装しておく。
さあて、私は何歳まで生き残れるのやら。
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ウル - 更新頑張ってください!応援してます! (2023年5月4日 20時) (レス) @page31 id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
伊月(プロフ) - 雪見大福さん» わー!!コメントありがとうございます!!不定期ですが頑張って更新しますね! (2023年5月4日 18時) (レス) id: 98d2d5cd50 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 更新を楽しみにしてます (2023年4月2日 15時) (レス) @page30 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊月 | 作成日時:2022年9月6日 13時