死神のいる街へ潜入捜査

#14 ページ15

(だ、大先生！)

彼はニコニコしながら私に近づいてきた。うーん、多分向こう気づいてないよな……。

ut「［お嬢さん1人？よかったら僕、と……！］」

『え、あれ？』

大先生の声が、聞こえる？！え？どゆこと？

『［大先生……］』

サングラスを外して周囲を見回す。うん、周囲の音もちゃんと聞こえてる……てかなんか聞こえすぎ？軍人のステータス持ってきちゃったかな？

ut「［え、シオン？！ちょ、来て！］」

ぐいぐいと手を引かれ、あっという間にマンションの一室。大先生の家らしい。

とりあえず今までのことを全部伝える。私の前々世の記憶のことは知ってるし、今度は自分も転生しているからか大先生の飲み込みは驚くほど早かった。

ut「［で、僕と会ったら耳が聞こえるようになって？話せるようになって？どゆこと？？］」

そこら辺の飲み込みはまだできていないらしい。

『［その辺は私にもわからん。ただ記憶が戻ったのも最近だし、心理的なものって言われてたから幹部に会うのがトリガーだったんじゃない？］』

私の話はここまでで、つぎは大先生の話。

大先生の名前はレイラー・ウツー。

グルさんのところで働いていて、軍のみんなは半分ほどと再会できているそうだ。

あ、私の本名はウァルツ・シオン。日本にいるときは夏梅汐恩と名乗っていた。そこからスケッチブックの「ナツメ」ができたわけだ。

そのままあれよあれよという間に私もHauptrolleに入社、やはりあった裏の顔ということでw社の幹部、軍での役割と同じ情報管理官(ハッキング担当)になった。

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