【男主】変わった新入り【wrwrd】 (ページ6)

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第５話ページ6

でも必然と呼ぶ声が近くなってくる

「なぁ！そこの君！」

そして気付いたら何故かその誰かは僕の腕を掴んでいた

腕を掴む…

その行為だけでも不快感が増して、思わず振り払うと同時に後ろを振り返った

後ろを見れば一人の男性がいた

特徴的なのは緑色のパーカーを着ていて、深くフードを被っているということ

彼は走ってきたのか手に汗をかいている

僕は一歩後ろに下がって、掴まれた腕を抑えて問いかけた

「…何ですか」

また…僕を狙うのか

それとも僕を見て気持ち悪いとでも言うのだろうか

どちらにせよ良い気分はしない

「…なぁ、あんた、綺麗な髪してんのやな」

予想外の言葉に呆気を取られ、ぽかーんとしてしまう

てか引き止めて言う言葉がそれなんかいな、と思ったが口をつぐんだ

「………僕に、何の用ですか、と聞いてるんです」

怖いという気持ちで一杯でカタカタと小さく震える体を必死に抑えながらも震えた声でまた問いかける

「あ、そうやった…！あんた、良かったらうちのグループに入らへん！？」

グループ…？

どうやら何かのお誘いを貰ったようだ

話を聞く限り、あの人達のように虐めるタイプでは無さそうだ…多分

．

ひとまず場所を変えようと提案され、大人しくついていくとファミレスのような店の前に来た

彼はのうのうと店の中に入っていくので、僕も小走りで後を追うように入る

店員に案内された席に辿り着くとお互いに椅子の上に腰を下ろす

「…それで、何で僕なんですか」

先に沈黙を破ったのは僕だった

何故僕に声をかけたのか、それだけが気がかりだった

他にもいい人材だって居ただろうに…

「…今日、あんたとすれ違った時、思ったんや。この人を仲間にしなきゃって…何か使命感に駆られて…ごめんな、急に」

「……別に、構いませんよ」

ふいっと顔を逸らして言う

「…でも、僕なんかを入れても楽しくないですよ…？」

「そんな事ない！俺の仲間、皆ええ奴ばっかやし！絶対大丈夫やって！それに俺がついとるし！」

何を根拠に…

「…そもそも、僕も貴方も初対面で、お互いの事よく知らないのに、よくそんな事を言えますね」

「それは…」

「…僕、人をあまり信用出来ないので…お誘いはご遠慮します。失礼しました。」

それだけ言うと席から離れ、急いで店を出ていく