【男主】変わった新入り【wrwrd】 (ページ2)

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第１話ページ2

昔の夢を見た

平凡な両親の元に生まれたのは平凡な男の子

______ ではなく

普通なら有り得ない珍しい髪と目を持った男の子が生まれた

両親も婦人科の人達も驚いていた

そのため、物心ついた時にはもう遅かった

他の子達は自分の髪を、目を見るなり

「気味が悪い」だの「俺達とは違う」だの

その当時には理解しがたい事を言われた

自分で鏡を見た時は何とも思わなかったのに

彼らにそんな事を指摘され、ショックを受けた

そんな彼らは日に日にエスカレートし、ついには虐めに発展してしまった

そんな時に一人の男の子が自分の前に現れて退治してくれた

抵抗出来ずにずっと体を強ばらせてうずくまってる僕に

「大丈夫？」と言いながら手を差し伸べてくれた

そんな優しい男の子の姿を見て安心したのか涙が零れてしまった

泣いてる僕を慰めてくれて、泣き止むまでずっと傍に居てくれて嬉しかった

やっと泣き止んだ僕は彼の顔を見て「ありがとう」と言う

助けてくれた男の子は「ええよー」と笑顔で返してくれた

自分の髪や目の事で虐められるようになったという話をしたら彼は僕の目を見てこう言った

「じゃあ、虐められないように俺が君を守ってあげる」

…というような、そんな夢だった

スマホから鳴るアラーム音を止めて重たい瞼を開ける

上体をゆっくりと起こし、眠たそうに目を擦って

「…久しぶりに懐かしい夢を見たな…あの子、元気にしとるやろか」

「…してはるよな……んぅ……とりあえず、顔洗わな」

懐かしい気持ちに浸りながらもベッドから降りて、重たい足取りで洗面台へ足を運ぶ

久しい人物から通知が来ている事を知らずに