関係ないので。【d!】 (ページ4)

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模擬戦ページ4

重い扉を開けると、そこは広い競技場だった

観客席では十数人の人がこちらを見下ろしてきている

そして、競技場の中央に一人のフードを深く被った男が立って此方を見ていた

刹那、男は物凄いスピードで私の元へ走ってきた

手にはナイフを持って

ああ、そういうことか。と理解した

きっとこの瞬間に何人もの人が不合格になったんだろうな

私は床を思いっきり蹴って後ろ、いや前に飛んだ

その瞬間、観客席の男達が感嘆の声を上げる

｢かははっ｣

ふと、特徴的な笑い声が聞こえた

フードを被った男だった

zm｢俺は幹部のゾムやで。実技の試験内容は俺に少しでも攻撃出来れば合格｣

ま、今んとこ1人も居らんやったけどな。と楽しそうに笑う

辛うじて見える彼の目は獲物を見つけた獣のように光っていた

きっと彼が持っているナイフはゴム製だろう

が、少しでも掠れば負傷する事は目に見えてわかった

当たり前だ、幹部なのだから

私は少し辺りを見回して、同じようなナイフが落ちているのを見つけた

彼が走り出すと同時にナイフを拾う

シュッ、と耳元で音がした

ぱらぱらと地面に切られた髪が落ちるのを横目で見て、そのまま低い体制で彼に刃を向ける

ギリギリの所で惜しくも避けた彼

当たるわけが無い、そんなのは分かっている

でも私はそのまま彼に足を掛けた

zm｢おわ、！？｣

私は躊躇なくナイフを彼に突きつけた、と同時に私の首元にもナイフを突きつけられた

tn｢そこまで｣

頭上から声がして上を向く

赤いマフラーをした男の人が立っていた

tn｢まあ、言うまでもなく合格やわ。あんさん何歳なん？｣

｢18です｣

立ち上がって砂埃を払う

zm｢え、そうなん！？｣

tn｢もしかして筆記満点やった子か？｣

観客席の方からもザワザワと声が聞こえてくる

tn｢18でここまで出来る子は中々やわ…｣

｢合格なんですよね、もう大丈夫ですか｣

合格した事の喜びより先に母に伝えたい気持ちが勝った

tn｢おん、ええで。向こうで待っとき｣

｢失礼します｣

一際鋭い視線が私に突き刺さっているのには気づいていたが、あえて気付かないふりをした