短編集の主役も我々だ？ (ページ9)

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tn目線

A、大分参っているなぁ。
…大丈夫だろうか。

tn｢はぁ──…｣
zm｢Aのことやろ。｣
tn｢えっ、口に出てた？｣
zm｢ｶﾊﾊｯ！A参ってるなぁ。くらい？｣
tn｢はっずぅ…｣

…人？
よく見えない。多分、今歩ける人なんて、呂戊太くらいやろ。

tn｢呂戊太か？危ないから、あの部屋行き？｣
rb｢誰や、そいつ。俺はロボロ。…ほらっ！挨拶がわりになっ！！｣

ﾄﾞﾝｯ

zm｢うぉっ！？…あっぶねぇ。お前、中々やるな。｣
tn｢ゾムｯｯ!｣
zm｢…ちょっとかすっただけ。大丈夫や。｣

rb｢ほぉーん。中々やな。ま、1人殺した方が、ええか。じゃ、そこのクリーパーカー、こっちき？｣
zm｢誰がお前なんかに従うかよ。｣
rb｢じゃ、力ずくや。｣ｼｭﾝｯ

速い！！
…とてもではないが、目じゃ追いきれない

rb｢おー、2人とも、中々やるんやな。でも、ざーんねん。｣ｻﾞｼｭｯｯ
zm｢うがっ…｣
tn｢ゾムｯｯ!｣

rb｢おっと、近づかんとき？そしたらあの女の子、殺すから。｣
tn｢…ほんまにいい加減にせぇよ。｣

怒りで目の前が真っ赤に染まる。

zm｢トントンｯｯ!…頼む…Aを守ってぇや。｣
tn｢ｯｯ!ゾム……分かった。任せろ…｣
rb｢さ、そこの赤マフラーには俺を忘れてもらわんとな。｣ﾊﾟﾁﾝｯ

tn｢うｯｯ!？…うぁぁっ！！｣
zm｢──っ！？｣

ゾムの声が微かに聞こえる。
…頭が痛い…これは悪夢なのだろうか。いや、悪夢であってくれ。

ﾊﾟﾁｯ

tn｢ん？ゾム…？｣

せや！ゾム！確か、青い鬼に出会って…！

ﾋﾟﾁｬﾘ

え？…ﾋﾟﾁｬﾘ？
脳内に嫌な想像が流れる。
嫌だ、やだやだやだ。見ちゃ…

tn｢ゾ……ム？…いややっ！返事してや！うぁぁぁ！ゾムぅぅ！｣

ｶﾁｬﾘ

A『とんと？………っ！！ぞ、む……？』
rb｢ぞ、むおにー…ちゃん？｣
A『！見ちゃダメっ!』

tn｢Aっ！俺のせいで！ぞむがぁ！！｣

そこには腹を酷く抉られ、流血しているゾム。
もう息は無い。

A『うぁぁ……』
tn｢俺が、俺が守りきれんかった……俺のせいや。｣
rb｢トントンおにーちゃん、大丈夫？…トントンおにーちゃん、悪くないよ。よしよし。｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

tn｢呂戊太………ありがとう…落ち着いたわ。A。絶対脱出しよう。｣
A『…とんとん………うん。脱出しよ、絶対。』

ん？ゾム、何か持ってる？

ｽﾙｯ

そこには人形の頭。
…いつ、持ってた？
まあいい。持っていこう。ヒントになるかもしれへん。